月の解釈は多種多様で、私のようにすがってしまいたくなる人間もいて。ルナアル・モナムウル。なんて呪文のように響くのだろう。痛みを伴うその内訳に、とても心が躍ってしまう。余りに文学的だ。人は優しいものだけに惹かれるわけじゃなく冷えた鋭い儚さに魅了されてしまうもの。そして、本当は月を利用し、その代償に命を減らしているのかもしれない。いつか死にゆく時に、月死者になってみたい気がしてしまう。そう、帰りゆくように。まあ、私は齧歯類みたいなものだけど。何度も、幾度も、読み重ねたい、とても蠱惑的な詩。
中毒者ばかりでなく、一度でも月を食んだ、あるいは飲んだことがある者には切要の一篇。「月死」に至るまでの記録が細微まで、淡々と綴られている。
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