第15話:「アカネ」と「ロッド」とロベール
ジャラザンの王宮から追い出された女の子達は、孤児だったらしく家族も居ないというので、とりあえずアメリアに送った、そこでセバスの館のメイドをしてもらうことになった
「セバス・・・酷いな」
「申し訳ない、切れたら手が付けられないとよく言われる」
しれっとそう言うロベール
「ローベール・・・」
「嫌いになりましたか?体の傷は治したのですが・・・」
「いや、嫌いにとか、そんなことは無いが」
(いや、イメージ大分変わったが・・・えーっと好みかも・・・ごめんセバス)
セバスは眼がうつろで、怯えていた、魔族でアカネの眷属にここまで出来るなんて
いくら戦闘力はロベールのほうが上でもこれは、と思うロッドだった
「セバス少し頭が痛いかもしれないが、治すから大丈夫だ」
そう言って治癒魔法精神異状解除;超級をかける
セバスの眼の色が戻って来た
「ロッド様、申し訳ありません」
土下座するセバス
「相手が悪かったんだ、お前に落ち度は無い、さぁ、仕事がたまっているぞ」
「はい、すぐに取り掛かります」
セバスのフォローはルナがやっていたので、そんなにたまってはいないが、気を取り直させるために言った
「申し訳ない、姉上にしゃべってしまった、ジャラザンに行く理由を聞かれて、で、男のアカネ様に会いたいと・・・」
「ロベール様・・・・口軽っ・・・ま、普通は信じませんよね」
「アカネ様ですから・・・」
ため息のロッドだった
王宮の応接室に通されたロッド
そこに、王と王女が入ってきた
ロッドの後ろには従者のロイが控えている
ロベールは王宮についた途端、第一王子に連行されていった
(またサボってたんだ・・・)
「ごきげんよう・・・えっと」
「ロッド・ロード・レオンと申します、ロッドとおよびください」
「ロッド様、本当にアカネ様ですの?」
髪と眼の色を戻す
「本当ですのね、そうすると面影がありますわ」
「それで、髪と眼は変えております」
「驚いたな・・・本当の男になっているのか?」
「はい」
「子もなせると?」
「・・・はい」
「たしかにジャラザンへ行くのなら、女性は動きにくいからな」
「理由を聞いても?」
「もう訳ありません、企業秘密です」
「そうか・・・」
沈黙が続く
「ロベールがゴメンなさいね、無茶したようね」
「いえ、大丈夫です、・・・・こちらからお聞きしてもよろしいですか?」
「なにかしら」
「ロベール様の切れ方、少し異常に思えました、初めて見ましたが執事の記憶を見ると本当に恐ろしかった」
「記憶を読むことも出来るのですか?」
「本人の許可が入りますが、見えます」
「お嫌いになります?」
おそるおそる聞いてくる王女
「いえ、それはありません」
「そ、よかった」
「普段あんなに優しそうなのに、事、切れたら、容赦のない行動、異常ですよね」
「影の仕事・・・」
びくっと二人は肩を動かした
「後継者の王女長男の第一王子、大事にされますよね、末っ子の第三王子、末っ子は可愛いですよね、中途半端な第二王子って感じかな?」
「それは、・・・・」
「気を引くために、影の仕事をやり始めた、あの年齢では有りえないレベルの高さ、フィンセントはお目付け役と身代わり・・・もしもの時に王子の身代わりになるため、二人のレベルの高さは異常ですからね」
「・・・・」
「この国は良い国だと思いますよ、貴族も、平民も、商人も、農民も活き活きといてる、その陰で国に悪影響のあるものを排除、それは仕方がないと思います、でも、それを子供に心が壊れるまでさせるのは、どうかと思いますよ」
「そこまでにしてやってもらえないか?」
いつの間にかロベールが部屋に入って来ていた
「私は自分のやって来た仕事を辛いとは思っていない、それで父上や姉上を恨んでも居ないし感謝されているので問題ないよ」
「ロベール様・・・」
「もう、その仕事はしてないし、キレるのはあなたのことについてだけだ、だから黙って何処にでも行かないで」
そう言ってロッドの横に座ると手を握る
「今は男同士なので、あまりそういう態度は可笑しいかと?・・・それとも男同士の・・・その経験あるのですか?」
「・・・・変態は何処にでも居るものです、油断させるにはね・・・ロッド殿は気にしないでしょう?」
そう王子がにこっと笑って答えると、王も王女も目を見開いて驚いていた
「経験ありそうだな?とは思いましたが・・・ま・気にしませんが・・」
「そんな報告受けたことないぞ」
そう王が混乱したように言う
「そうでしたか?理由と結果だけでしたかね?報告書は・・・今なら笑って言いますけど
悪いことを考える奴は変態が多いですよ」
そう言うと酷い例をいくつか上げはじめた、王と王女の顔が蒼白になって行く
ロッドも予想はしていたがその内容に、心が壊れるのは当たり前だと思った
王と王女はとても笑って聞くことは出来なかった
「影の仕事を始めた頃、誘拐事件の探索で、見つかった犯人の館に侵入捜査したんですが、綺麗な子供の男の子が好きなブタ・・・かなり太った侯爵夫人が居ましてね・・・ホント初めてがブ(・)タ(・)なのはさすがに未だにトラウマですよ、寝首を搔いてやりましたがね」
「そんな・・・」
絶句している王女
「ああぁそれで、今は若くて華奢な女の子ばかりさそってたんですね」
ロッドが言う
「それを何処から、今はもう誘ってませんよ、貴方一筋ですからね」
慌てるロベール、それを見て笑うロッド
その様子を蒼白で見ている王と王女が、少し胸をなでおろしていた
「軍部の不正調査の時は、男ばかりの世界だったので・・・」
「受けだったんですか?攻め?」
ロッドが食い付き気味に行くと
「・・・そんなことどうして知っているんですか?両方・・・」
「受け?攻め?」
キョトンとしている王女、王は苦笑いしていた
「いまだにその時、利用した奴から熱い視線をもらうのは嫌ですね、一応ストレートですので、ロッド様は別ですよ」
「それに、私を女性にすることも出来るのでしょう?」
「!どういうこと?」
王女は驚いたり呆れたり混乱して居る様だった
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