第16話:「ロッド♂」と「ロベール♀」

目をきらきらさせている皇女がこちらを見ている

「えーと出来ますけど、身体の仕組みが変わってしますので、性別変えると始めはしばらく元の性別に戻れないし、考え方も少し変わるので戻った時に混乱して精神が可笑しくなるかもしれません、王子のレベルは高いので、大丈夫だとは思いますが」


「凄いな・・・ロッド殿はまだ女性に戻らないのか?」

王子が聞いてくる、

「ええ、もうしばらくこの姿でやりたいことがあるので」

「ではその間私を女性にしてくれないか?」

「ええっ!でも・・・身体能力も精神も弱くなるし・・・」


「私も見てみたい」

王女が言う


「第一王子から逃れたいからじゃないですよね・・・」

図星をついてみた

「・・・それは少しは思いましたが、一番はあなたです、異性として傍に居たい・・」

「・・・・」

「ロッド殿?赤くなってますよ」

「”ロッド”はどうも精神的に弱いみたいで・・・」


「見たい見たい見たい!・・・ロベールが女の子になった所!」

「えーと、王女様?」

きらきら目を輝かせている


「エリザベート?どうしたんだ?」

「ロベールが妹だったらって想像が本当になるなんて」

「あねうえ?・・・まだ弟です・・・」


「くすくす!あははは!可愛い、エリザベート様って、いつも冷静でクールなイメージでしたが・・良いですよロベール様もなりたいって言ってますし、元に戻れないってわけでは無いですしね。

女性化したら暫くは我が家に滞在されると良いですよ、母達も居ますし」



「では、始めます」


ロベールの体が光に包まれる

光のシルエット少し広がると、徐々にシルエットが変わっていく


3分程でロベールが女性に変わった


(・・・・何かくじけそうになるな・・・何で・・・あの巨乳は・・・)


「すごい1可愛い可愛い可愛い」

飛んで行って女性化したロベールに抱き付くエリザベート王女


王は複雑な顔をしていた

「凄いな・・・本当に女性になってる・・・姉上・・・ちょっと苦しい」

「あっごめんなさい」

「服ぶかぶかですね」

そうロッドが言ううと、一瞬でアカネの衣装からロベールに似合いそうなのをチョイスして一瞬で着替えさせた。

「下着も変えてくれるなんて・・・アカネ様のお古?」

「いや!違うし!さすがに下着は新品です、ブラはサイズが合わないので瞬時に作りました。」

「・・・ロッド様のえっち!」

「ちょっと!そんな・・・」

真っ赤になるロッド


(本当にロッド様の時は精神が弱いんだ・・・)

そう感じた王女は二人の様子を見て、こっちの方が上手く行くんじゃないかと期待した。


(やばいっしょ!何めっちゃ可愛いいんだけど!)

「名前、女性名どうします?」

ロッドがそう言うと

「ソフィア!」

「姉上?なぜ?」

「こっそり貴方を女の子想像して”ソフィア”と呼んでたの」


(王女って妄想系だったの?)

「ソフィア・・・良いかも」

王子がそう言ったのでソフィアに決まった。


その後、王女に連れられクローゼットで着せさえ人形になってたソフィアだった。







魔境の自宅にソフィアと戻ったロッド


「お疲れ様、王女があんな方とは・・・」

「小さい時、こっそりドレス着せられていやでしたね」

「しかし・・・ソ・ソフィア?そんなにくっつくと胸があたって」

「ロッド様の好みは20歳前後なんでしょう?私なんかぴったりじゃないか?」


長椅子に腕を絡めて座る二人


「まぁ何ていうか・・・そろそろどっちにしても折れたら?」

そう言ってくるのは母だった・・・・


「そうだよな・・・どっちにしろ・・な・・・」

歯切れの悪い父


「本当にいい加減にして欲しいものですわ、そのまま寝所に行ってください!」

ルナが半怒りで言う、眷族でも一人の人間として付き合っているので容赦が無い。


「行きましょうロッド様!私はいつでもいいですよ」

にこっと笑った顔がめちゃくちゃ可愛くて動揺しまくりのロッド。





さすがに女性なり立てでまだなじんでなかったのだろう

その後も皆で団欒していると、横から寝息が聞こえて来た。


「可愛らしいわね」

母が言うと、皆で温かいまなざしをソフィアに向ける

「ロッド様の傍で安心されて居る様ですわね」

ルナが言ううと皆、家族を見るようなまなざしをしていた・・・


(あれ?これはもう嫁認定されてる眼差しなんだが・・・・)


「客間の準備は済んでおります」

ロッドはそっとソフィアを抱き上げると、客間に寝かせた。




居間にもどると、新しい紅茶を啜りながら、母が

「で、どうするの」

「え?どうもしませんよ」

ちょっと赤くなるロッド


「・・・・ソフィアの事では無くて、ジャラザンよ!あなた、何かたくらんでいるのでしょう?」

「ああ・・・そっちですか?暗殺集団が私の従業員を探しているらしいので、一度〆ようかと、その後あの国には滅んでもらいましょうか?」

「滅んでもらうのは賛成よ、で、手伝う事ある?」

「お母様の手を煩わせることは無いかと、多分勝手に滅びますから」






===========

暗殺集団のアジト

「見つかったか?」

「・・・・たぶん・・・・」

「多分とはどういううことだ!?」

「容姿が随分と変わっているんだ、あの詩草や声は紛れも無くギンバレットなんだが・・・」

「歯切れが悪いな・・・で、何処に居た?接触できたのか?何故連れてこなかった!」


「商人になってた・・・顔の傷や腕の入れ墨が綺麗に無くなってた、まるで好青年だったよ・・・」

「何ふざけたことを言ってる,アイツが好青年?笑わせる、人を人とも思わない残虐な奴が」


「居たのはサンセット商会の行商の馬車だ、近づけ無かった・・・」

「近づけない?」

「たぶん、俺に気が付いたんだろう、顔は好青年そのままなんだが、威圧がもの凄くて、おもわすもら・・・」

「お前がビビるほどの威圧?あいつがか!?」

「多分レベルはもう俺よりも上だろう、頭領、あんたよりも上だと思うぞ・・・近づかない方が良い、こっちの身が危ない」


「それよりもこいつらどうする?」


フィンドラス王国に囚われていた暗殺集団の仲間を連れ帰ってきたのだが、能力が”無力化の魔法具”によって、普通の庶民よりも能力が下がっていた。

”無力化の魔法具”はどんな手を使っても外れなかった。


「ギンバレット達は外れたらしいぞ、自然に奴等の目が変わっていたらしい、ギラギラしていた目が、優しい目に・・・」


「頭領~外してくださいよ~早く人を殺したい!」

「くそーこの状態だとスライムにも勝てねえぞ!」

「畜生あの女!くそ!」


非力人間たちが悪態をいくらしても、外れることのない首輪だった





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