短さと、儚さと、愛おしさと

この物語は短い。
だが、それがいい!
いや、だからこそいい、と言うべきか。
愛情のエッセンスのように、短い中に、現実の世界の生身の人間の愛と別れが凝縮されている。詩のように。短い中で伝えるという辛気臭くなりないメリットと、それでも尚伝わる切実な悲しさが一瞬で駆け抜ける感覚が、ヒロインの性格と丁度呼応するようになっていて、見事な構成力を感じます。