純・純愛。

ただ、二人が愛し合った物語。その言葉で片付けるのはあまりにも簡単で。しかし、それがどれほど難しいことであるか、厳しい現実で生きる我々はよく知っている。この、混ざりっけなしの純愛の向こう側に見えるのは、死という理不尽へのむなしさ(怒り、ではない)と――死によって、遺された者に刻印される「これからを生きる強さ」なのである。