祈りの色は、輝ける銀色。その尊い血を残すために選ばれた、少年と少女。

自分は取り柄のない平凡な少女である、
と、エリザ自身にもよくわかっている。
なのに、巫女姫として選ばれてしまった。
未熟さを晒すばかりの毎日が、ただ辛い。

滅びゆく長命種族ムテの血を残すため、
ひとりの人である己を捨てて山に籠り、
しきたりどおりの祈りの日々を送る
巫女姫エリザと最高神官サリサ・メル。

それでも、わずかな味方を得て隙を突き、
こっそりと逢瀬をしては語り合う2人は、
捨て切れない己の心のままに恋をしている。
どうか負けないで、とその恋を見守りたい。

思春期の繊細な心模様が緻密に描かれる。
これは第一巻。続きも楽しみにしています。