現実が侵食される怖さ

最初はよくある設定の話だなと思っていた。
よくある青春劇の導入。
よくある連続殺人事件の謎。
よくある探偵役の学生の活躍。
毎週起こる事件はどうせ思い込みとかただの偶然で終わると思って居て、やっぱりこういう対策をすれば大丈夫じゃんと作中のキャラと同じように考えた。

でも、

その後の惨たらしい死に方で何かが可笑しいと気付く。
その何かは作中の人物も感じている何か。

読んでいる自分が『こうだろう』『こうなるに違いない』と予想しているのは、その反対の事が起きて欲しくないから。
誰かが死ぬ。それは物語の中ならよくある事で珍しくはないんだけど、だからってこんな死に方は無いじゃないか。
こんな事は現実に起きない。これは物語の中でだけ起きるような事で、現実じゃない。

それはむっちゃんもそう思っていて、僕が思っている事とリンクしてる。

むっちゃんだけじゃなくてクラスの皆もそう思ってると思う。
ムルムルだかムルムクスだか知らないけど、今ではもうそいつが居るって事が当たり前になってる。
ネットでも沢山ムルムクスの事が語られていて、自分の周りでムルムクスを知らない人は少ない。
最初は何の事か分からなかったムルムクスが形を成して、みんなを支配しようとしているんだ。

ムルムクスは生まれてしまった。もう止められない。
だからこそ、始められた物語を、必ず終わらせて欲しい。
最後まで見届ける。意味があるようにと、応援している。

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