ほろ苦い終わりの光景

終末の世界を舞台に、様々な終わりの光景をほろ苦く見せてくれるオムニバス掌編集。
それぞれが独立した話ながら、寂寞感や悲哀といった空気感が全体を包んでいて、読み進めるごとに色濃くなっていくようです。各エピソードにどういったオチがつくかという、ショートショートならではの面白味にも満ちています。
そして何より、終末という冷えきった世界にほんのり色付く切ない人肌の感情が、より強い余韻を残します。
各話をゆっくり味わって読みたい作品です。

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