列車の窓にひとつずつ思い出をともしていくように

回想列車、というタイトルに惹かれて読み始めたのですが、思い出に留まらず、読者にもなにかを投げかけるような余韻が残る素敵なエッセイです。

学校生活や社会で子供心に浮かんだ疑問や理不尽さ、印象的な出来事。大人になった今、改めて振り返ることで、別の視点から見えてくるものがあるのに気づかされます。

走りゆく人生の列車の窓に映る思い出は、ほろ苦く切なく、どこか滑稽で、過ぎ去ったあとの明かりのように胸に残ります。
回想でありながら普遍的なテーマを持って走る列車にぜひ乗ってみてはいかがでしょうか。