概要
二月二十二日、かぶった猫が見えるようになってしまった!
二月二十二日、午前二時二十二分二十二秒のことである。夜更かしをしていた人たちはその瞬間、寝入っていた人たちはめざめと同時に理解した。
今日は、かぶった猫が見える日である。
もちろん冷静に考えたらおかしい。わけがわからない。でも忙しい現代人は世界の歯車が少しずれたことよりも、次の日の勉強や仕事の方が大事なので、あんまり気にすることはなかった。
家根琴子は朝起きて、自分の頭に猫が乗っていないことに安心した。だけれど、そう単純な話でもなかったよう。
今日は、かぶった猫が見える日である。
もちろん冷静に考えたらおかしい。わけがわからない。でも忙しい現代人は世界の歯車が少しずれたことよりも、次の日の勉強や仕事の方が大事なので、あんまり気にすることはなかった。
家根琴子は朝起きて、自分の頭に猫が乗っていないことに安心した。だけれど、そう単純な話でもなかったよう。