あとがき

 『ダルタニャンとマリー・ド・メディシスの陰謀』、これにて完結です。最後まで読んでくださった皆様、誠にありがとうございますm(__)m


 この作品は、かなり昔に野生時代フロンティア文学賞で一次通過したけれど二次で落ちてしまった作品です。自分にとっては愛着のある作品ですが、いま読み返すと、知識の浅さや文章の未熟さが目立つかも知れません(汗)。


 この小説を書いていた時の一番の思い出は、夜中に執筆していて煮詰まって、色々と人生にも煮詰まっていて、ヤケクソですきっ腹に焼酎をがぶ飲み→酔っぱらって真っ暗な部屋で一人ダンス→明け方までゲロピーを経験したことです。

 汚い話をしてすみません……。あの頃はまだ若かったんや……。


 今作品は、後に執筆することになる『カルチェ・ラタンの魔女』『花の都の動物裁判』『愛の果てのブルボン』などのいわゆる「フランス歴史物シリーズ」の出発点となった作品でもあり、衛生が悪かったパリの街並みやアンリ4世死後の歴史、そしてちょっとだけ動物裁判についても触れられています。

 ある意味、名月明というへなちょこ物書きの歴史を振り返ることができる作品と言えるかもです。……え? 誰も私の歴史になんか興味ない? ですよねー。


 いずれはダルタニャンの物語をリメイクして、銃士隊結成からダルタニャンの戦死までの一大ロマンを描きたい……という野望があったりなかったり……(;^ω^)



 以下、登場人物たちそれぞれの裏話やその後の人生などを見ていきたいと思います。(今作品に登場していない三銃士メンバーについても紹介します)





〇シャルル・ダルタニャン

 本名が実はダルタニャンじゃなかったダルタニャンさん。しかも、銃士隊内には他にもダルタニャン姓を名乗っている銃士たちがいた模様。この時代は地縁・血縁が物を言ったので、親類や同郷人たちで仲良しグループを作っていたのだと思われる。恐らく、シャルルと兄ポールはそんな「ダルタニャン派閥」を銃士隊内で作っていたのではないだろうか。

 ルイ十四世の時代に銃士隊を任されたシャルルも、従弟のピエール・ダルタニャンを始めとした故郷の血縁者や同郷人たちを呼び寄せて銃士にしている。将兵たちは隊長が自分の一族または同じ故郷の出身ではなかったら従わなかったそうなので、地縁・血縁でかたまったのは仕方ないことなのかも知れない。

 史実のシャルル・ダルタニャンは、太陽王ルイ十四世や王母アンヌ・ドートリッシュ、宰相マザランらに厚く信頼された男だったようだ。1673年にシャルルが戦死したという報告を聞いたルイ十四世は王妃への手紙で「私はダルタニャンを失ってしまいました。私が最も大きな信頼を寄せていた男です。何事につけても私によく仕えてくれた男でした」と嘆いたという。

 ルイ十四世のダルタニャン一族への厚遇はシャルル死後も続き、従弟のピエール・ダルタニャンはフランス軍の元帥になった。



〇ポール・ダルタニャン

 弟のシャルルに先んじて銃士隊に入隊した実在の人物。ポールは、銃士隊に在籍していた母方の叔父ジャン・ダルタニャンを頼ってパリに上京したと思われる。叔父のジャンがラ・ロシェルの包囲戦(1628年)で戦死すると、銃士隊内における「ダルタニャン派閥」の力が弱まることを恐れたのか、弟のシャルルをパリに呼び出して銃士隊に入れた。

 1640年に歩兵連隊に移り、1643年には30代半ばにして隊長に昇進。しかし、間もなく故郷のガスコーニュに帰った。(たぶん、数年前に亡くなった父親の遺領を継ぐためだったのだろう)

 1665年にブレガンソン要塞総督に就任。1667年、ルイ十四世にナヴァランクス要塞を与えられる(ナヴァンクラス要塞はスペイン領に近く、かなり重要な拠点である)。「カステルモール侯爵」と称してガスコーニュにおける名士となった。

 実子がいなかったポールは、1684年、弟のシャルルの遺児であるルイに遺産を相続させることを決めるている。(自分の息子に国王と同じ名前をつけることができたというのは、それほどルイ十四世がシャルルを寵愛していたということだろう)

 ちなみに、作中でポールがあんなにも下衆な性格(?)をしているのは、ちょっとした理由がある。私はデュマの『ダルタニャン物語』が好きでこの小説を書いたのだが、主人公のダルタニャンはミレディの侍女ケティに「ずっとお慕いします」と言われて(そんなの無理だろ)と思ったり、目的のためなら愛するコンスタンス以外の女(ミレディ)に嘘の愛をささやいたりなど、そこらへんの性格がどうにも気になった。そのため、私の小説のシャルル・ダルタニャンは愛に純粋な少年として描いた。そして、不純な性格の部分は兄のポールに肩代わりしてもらったのである。

 今回のお話では付き合い始めなのでコンスタンスとは完全な純愛だったが、もしも続編があったらコンスタンスはポールに散々振り回されて悩むことになっただろう。作中で「利用できるものは何でも利用する」とポールは言っているが、それは恋人も例外ではないということだ。



〇コンスタンス

 私にはまだネットのどこにも載せていない『永遠の銀十字』という小説があって、その小説もシャルル・ダルタニャンが主人公である。その作品はリシュリューとルイ十三世が亡くなって幼いルイ十四世が即位する前後のお話なのだが、その作品でもコンスタンスはトレヴィル隊長の娘として名前が出てくる。……ただし、故人として。

 その作品では、『ダルタニャンとマリー・ド・メディシスの陰謀』と似たような事件があった後、コンスタンスはポールと破局。政争に巻き込まれて死亡している。

 私にとってコンスタンスとは、ダルタニャンの「若き日の初恋と挫折の象徴」なのである。だから、ダルタニャンが成長するためには彼女に恋をし、彼女を失わなければならない。ダルタニャンとコンスタンスの物語はそういう運命だからこそ美しいと個人的には思っている。

 ちなみに、史実においてダルタニャンの息子が結婚した女性の名前がコンスタンスという。このことをアレクサンドル・デュマは知っていて、ダルタニャンの初恋の相手の名前をコンスタンスにしたのだろうか……?



〇シャルロット(ミレディ)

 『三銃士』最大の悪女ミレディがモデル。つまり、あの幼女は成長したら……。

 『ダルタニャンとマリー・ド・メディシスの陰謀』の物語終了後もシャルロットはしばらくは純真な少女だが、太陽王ルイ十四世の即位前後で主要キャラがボコボコ死んでいく(史実のアトスはルイ十三世死去と同年に決闘で死亡)あたりで過酷な運命を背負う……という脳内設定である。シャルロットに関しては続編をちょっと意識しすぎたかも……(^_^;)

 ちなみに、前述の『永遠の銀十字』にもシャルロットという名前の少女が登場し、コンスタンスに代わってメインヒロインだったりする。『永遠の銀十字』でのシャルロットは「実は後のミレディ」という設定が無くなり、アンヌ王妃の侍女だった実在の女性モットヴィル伯爵夫人をモデルにしている。



〇アルマン(アトス)

 本名はアルマン・ド・シレーグ・ダトス・ドートヴィエイユ。三銃士のアトスのモデルとなった人物。父はアトス・オトヴィルの領主。母が銃士隊長代理トレヴィルの従姉妹。デュマの『ダルタニャン物語』ではダルタニャンよりもずっと年上だが、史実の彼はシャルル・ダルタニャンとほぼ同年代らしい。

 史実では、シャルルよりもけっこう遅れて銃士隊に入っているようである。ただ、それでは面白くないので、今作品ではシャルルと同時期の1630年に入隊したことにした。

 アルマンは1643年12月21日(木曜日)に決闘で死亡した、という記録が残っている。翌日、パリ近郊に埋葬された。史実の彼はそれぐらいのことしか分からない。



〇イザック・ド・ポルトー

 三銃士のポルトスのモデルとなった人物。シャルル・ダルタニャンよりも2歳年下。トレヴィルの親類で、アトスの従弟。ベアルンの中心都市ポーに生まれ、同郷のトレヴィルを頼ってパリに上京する。

 ポルトー家は熱心なプロテスタントで、祖父アブラムはナヴァール王時代のアンリ四世に司厨役として仕えていた。(拙作『愛の果てのブルボン』でちょい役で登場している)

 史実では、銃士隊に加わる前に、1642年にエサール侯爵(トレヴィルの妻の兄)の近衛歩兵隊に入隊。1643年に銃士隊に入隊したと思われる。弟のジャンという人物も銃士隊に参加していたらしい。

 ルイ十三世の死後に銃士隊がいったん解散された後、ナヴァランクス要塞の守備隊に入隊。後にランヌ・アン・バレトゥという村の支配権を与えられた。父親の死後、1654年に故郷に帰り、ベアルンの議会の事務局長に就任。

 1712年7月13日に脳卒中で死亡したと思われる。史実の三銃士メンバーの中ではかなり長生きした。



〇アンリ・ダラミツ

 三銃士のアラミスのモデルとなった人物。トレヴィルの年の離れた従弟。シャルル・ダルタニャンよりも5歳年下。

 祖父ピエール・ダラミツはナヴァール女王ジャンヌ(アンリ四世の母)に仕えたプロテスタントの武将。(拙作『愛の果てのブルボン』にも登場)

 ピエール・ダラミツには長男フェブス、長女マリー、次男シャルルという子供たちがいた。姉のマリーがジャン・デュ・ペイレという新興商人と結婚してトレヴィルを産み、弟のシャルルがアンリ・ダラミツの父親となった。

 史実では1641年に銃士隊に入隊したが、父のシャルルが死ぬと、1648年に故郷に戻った。その後、ベアルンの修道院長に就任したようである。1650年に地元の若い女子相続人ジャンヌ・ド・ベアルン=ブワッスと結婚し、子供たちを授かる。

 死亡年は、1655年説と1674年説があるようである。



〇トレヴィル

 アルノー・ジャン・デュ・ペイレ。父親のジャンは、元はオロロン市の商人で、ピレネー山麓のスール渓谷にあるトレヴィルという貴族領地を購入して貴族になり、子爵の地位を手に入れた。

 17歳の時にパリに上京。武功を積み、1625年に創設されて間もない近衛銃士隊の隊長代理に抜擢された。1627~28年のラ・ロシェル包囲戦では負傷しながらも戦功をあげる。そして、1634年に銃士隊長となる。(といっても、名義上は国王のルイ十三世が銃士隊の隊長なので、トレヴィルは隊長代理という肩書だった)

 1642年9月、サン・マール公爵によるリシュリュー排斥のクーデターに連座し、リシュリューはトレヴィルの追放をルイ十三世に要求した。リシュリューの怒りは最もで、サン・マール公爵はフランスの領土を一部譲る代わりに、スペイン王にクーデターを助けてもらおうとしていた。つまり、国家転覆の危機というべき事件にトレヴィルは加わっていたのだ(敬愛するアンヌ王妃がこの計画に参加していたのが原因だろう)。

 ルイ十三世はやむなくトレヴィルを追放する。しかし、同年12月にリシュリューが死去すると、トレヴィルを呼び戻して銃士隊の隊長に再任した。そのルイ十三世も数か月後の1643年5月に死去する。ルイ十三世の死後、トレヴィルは新国王の摂政となったアンヌによって伯爵に叙せられた。(伯爵になる前から「トレヴィル伯爵」と勝手に名乗っていたみたいだけど……)

 しかし、新しい宰相マザランと対立。マザランに、自分の甥フィリップ・マンチーニ(ヌヴェール公。当時5歳)に銃士隊の隊長を譲るように迫られて拒否。1646年1月、銃士隊は解散させられ、トレヴィルはピレネー山麓の都市フォワの総督として左遷させられた。

 おそらく、トレヴィルは敬愛するアンヌがマザランと愛人関係になったことが許せず、マザランと対立したのではないだろうか。しかし、アンヌは、王妃時代に自分を助けてくれたトレヴィルよりも、宰相として自分の息子ルイ十四世を守れる力を持ったマザランを選んだ。その結果、トレヴィルは転落したのだ。



〇モンタラン卿

 銃士隊の初代隊長。コメント欄で「ドワーフみたい」と言われていた人。

 実はこの『ダルタニャンとマリー・ド・メディシスの陰謀』の物語の舞台である1630年の時点で史実のモンタラン卿は故人だったりする(汗)

 この小説を執筆していた際、日本語で書かれた資料しか参考にしていなかったため、私は銃士隊の隊長は「モンタラン卿→トレヴィル」だと思っていた。しかし、実際は、モンタラン卿は1627年前後に亡くなっていたらしい。

 モンタラン卿ジャン・ド・ベラールは、ダルタニャン兄弟やトレヴィル、三銃士たちと同じくガスコーニュ出身。1622年に近衛銃士隊の初代隊長に任命された。トレヴィルはその部下で、1625年頃から隊長代理を務めていた。モンタラン卿はラ・ロシェル包囲戦の前後に亡くなり、甥のエルキュール=ルイ・ド・ベラールが近衛銃士隊の隊長を受け継いだ。

 トレヴィルがすぐに隊長になれなかったのは、隊内にはモンタラン卿の地縁・血縁の者が多かったのではないかと思われる。前述の通り、将兵は同郷や血縁の人間に従いたがるからだ。同じガスコーニュ出身とはいえ、モンタラン卿の一族と関係が薄いトレヴィルでは銃士隊を率いるのは難しかったはずである。だから、トレヴィルは自分の親戚や同郷人たちをどんどん銃士隊に入隊させ、少しずつ銃士隊をトレヴィル色に変えていったのだろう。

 1632年、2代目銃士隊長エルキュール=ルイ・ド・ベラールは、大貴族モンモランシー公の反乱軍と戦い、その時の傷がもとで死亡。その後に銃士隊長になったのは、これもまたモンタラン卿とゆかりがあったらしいジャン・ド・ヴィルシャルテルという人物である。しかし、この頃になると銃士隊におけるトレヴィル勢力が強くなっていたらしく、ルイ十三世は1634年にジャン・ド・ヴィルシャルテルを左遷し、トレヴィルに銃士隊の統率を任せた。(ただし、この時から銃士隊は国王直属の部隊となり、名目上は国王が銃士隊の隊長となった。トレヴィルの肩書はずっと隊長代理のままだった)



〇ニコラ・フーケ

 ロシナンテを買った天才少年弁護士(自称)。

 実在の人物で、太陽王ルイ十四世の時代に財務卿を務めた。宰相マザランを上回るほどの資産を持ち、マザランの死後は自分こそがフランス国の舵取りをする者であるという自負を持っていたようだ。しかし、その自信と傲慢さがルイ十四世に嫌われ、ニコラはある日突然逮捕される。

 ルイ十四世の命令でニコラを逮捕したのは、銃士隊長シャルル・ダルタニャンだった。ニコラはシャルル率いる銃士隊によって護送され、その護送の列は見送りにきたニコラの家族の前を通りかかった。

 罪人を護送する車は途中で停止させてはいけないという決まりがあったため、止めるわけにはいかない。しかし、ニコラ・フーケも家族と最後の別れぐらいしたいだろう。そう考えたシャルル・ダルタニャンは、護送車をわざとゆっくり進ませ、ニコラが家族と言葉を交わすことができる時間を与えたと伝わっている。

 私はこのエピソードを読んで、「ダルタニャンとニコラ・フーケには以前からの友情があったのでは?」という仮説を作り、少年時代の二人の交流を今作品で描いたのである。



〇ルイ十三世

 ブルボン朝2代目フランス国王。父アンリ四世の暗殺により幼くして王位につくが、実権は母のマリー太后が握った。母を追放した後はリシュリューを重用する。アンヌ王妃の不貞に悩んで若はげになり、22歳でカツラを着用。カツラをヨーロッパに普及させた。

 病弱だったが、スペインとの戦争では父アンリ四世を彷彿とさせる勇敢さを示し、自ら軍を率いてスペインに奪われた領土を奪還した。

 しかし、夫婦生活は最悪だった。王妃のアンヌは弟であるスペイン王と密かに手紙のやり取りをしたり、サン・マール公爵のクーデター計画に加わったりした。

 ルイ十三世は、たびたび夫を失望させるアンヌのことを信じることができず、自分の死後にアンヌの摂政としての権限を制限する遺言を残した。また、晩年に生まれたルイ十四世とフィリップが本当に自分の息子だろうかと悩んでいたようである。



〇アンヌ・ドートリッシュ

ルイ十三世の王妃。父はスペイン王フェリペ3世。フランスとスペインの友好のために嫁ぐが、夫のルイ十三世とは不仲で子宝に恵まれず、リシュリュー枢機卿とはスペインとの関係をめぐって対立。イングランドのバッキンガム公爵と恋に落ち、これが遠因となってラ・ロシェルの包囲戦が勃発してしまった。無邪気で思慮浅く、愚かしくも孤独な美女である。

 しかし、ルイ十三世の死後、息子のルイ十四世を守るために彼女は変貌した。亡き夫の「摂政アンヌの発言権を制限すべし」という遺言を強引に無効にさせ、摂政としてフランスに君臨。愛人の宰相マザランと二人三脚で反国王勢力と戦っていく。この時にアンヌとマザランを助けて陰で活躍したのがシャルル・ダルタニャンだったりする。



〇リシュリュー枢機卿

フランス王国の宰相。5歳で父を失うが、国王アンリ4世の恩給により家族は貧困に陥らずに済んだ。「国王の尊厳と国家の盛大」を目標とし、苛烈な政治手腕で後年のフランス絶対王政の基礎を築いた。国内に多くの政敵を抱えつつ、三十年戦争ではカトリック教徒でありながらプロテスタント側として参戦。

 臨終の際、聴罪司祭に「汝は汝の敵を愛しますか」と問われると、「私には国家の敵より他に敵はなかった」と答えた無私の人。(と言いつつ、わりと大人げないことも色々やっているっぽいけど……)

 この小説でのリシュリュー枢機卿は、映画などで描かれる「陰謀をめぐらす嫌なオッサン」というイメージとはかなり別物にして描いてみた。リシュリューは一時期軍人だったため、体が弱くても精神面においては武骨な男だったのではと考えたのである。たぶん、リシュリューを描写している時が一番楽しかったかも知れない。



〇マリー・ド・メディシス

 今作品『ダルタニャンとマリー・ド・メディシスの陰謀』と『愛の果てのブルボン』、両作にて憎まれ役となった残念な人。

 『愛の果てのブルボン』で大きな罪を犯して物語に幕を引いたこのメディチ家の怪物は、今作品でその報いを向けることになるのである。(ただし、執筆した順番は逆だけど)



〇オルレアン公ガストン

 作中でシャルルとアトスに大便をぶっかけそうになった男。

 アンリ四世の三男。母マリー太后とともにリシュリューを倒そうとする。「欺かれし者の日」以降、ロレーヌ公国に亡命。ロレーヌ公やモンモランシー公と共謀して、反乱の機会をうかがった。

 後に兄と和解し(ただし王位継承権を破棄させられた)、ルイ十四世の補佐をする。これで安泰かと思ったら、宰相マザランに嫌われてしまい、自分の領地ブロワに蟄居することに。半ば自業自得とはいえ踏んだり蹴ったりの人生だった。

 ちなみに、この人物は私の児童小説『花の都の動物裁判』のヒロインである清純可憐なマリーのお父さんだったりする……(^ω^)



〇口八丁のジャック

 おのぼりさんのシャルルを騙して牢獄に入れた悪人。本名はジャック・ミッシェル・ボナシュー。

 名前はボナシュー……そう、あのボナシューである。デュマの『三銃士』でコンスタンスの夫として登場するボナシューがモデルである。

 みんな……この小ネタに気づいてくれたかな……?





 というわけで、これにて本当に完結! あとがきまでお付き合い頂き、ありがとうございます!

 感想等をコメント欄や近況ノートに書き込んで頂けると、作者が泣いて喜びます!(≧▽≦)


 では、また別の作品でお会いしましょう!!

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ダルタニャンとマリー・ド・メディシスの陰謀 青星明良 @naduki-akira

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