上司の苦悶への応援コメント
もしかしたら部下は上司である自分の思惑に気づくかもしれない。それはそれでいい、と彼は思った。幼いころから国の庇護下で育ち、国を裏切ることを本能が許さない自分を、外から止めてくれる人間を心のどこかで望んでいたのかもしれない。お前は自分の好いている女性を平然と殺すのか、それでいいのかと誰かに詰問されたかった。
↑ ここ好き。
戸が閉まる音で、身体の力が抜けたのだと気づいたときには、彼は手が震え出すのを感じた。
本当に、それでいいのか。
ミクをこの手で殺していいのか。
母親のいない自分の前で、それを知ってか知らずか、母を想う歌を歌ってくれたあの女性を――。
ダメだよ、ミクを殺しちゃダメwってミーハーな感想ですが
そう思うんだね。登場人物のミクはどうなっていくの?
妃にたった悪評への応援コメント
ワサの主は言わずもがな、共和国である。直属の上司で情報を”納品”するのは、王国に頻繁に出入りする商人に化けた男だった。彼は港で能力のある歌歌いを見つけたと嬉しそうにワサに語っており、仕事以外の会話を嫌うワサが煙たそうに聞いていたことがあったが、その港に今から向かうワサはこの時点では思い出していない。
↑ これは、はじめに登場した商人のこと?だとしたら伏線があざといくらいに惚れ惚れする設定。
やっぱりそうだった。たぬきさんは物語作家だね。
方向性、それがキイワードのような気がしますが
大成のカギですね。でも僕もまだわかりません。
僕は数少ないけれども日本の女流作家と呼べる方たちの
作品を読んできたけれども、こんなにワクワクする作品はなかったです。
純文学でも、エンタメでも。小川洋子さんくらいかな。「博士の愛した公式」はすごかった。村山ナンチャラはベストセラー作家で、仙台でも
一度会ったけど、直木賞作品もありきたり以下だった。
春瀬由衣先生のほうが好きだな。まだそんなに読んでないのに
どうしてこんなに感動するんだろう?まだわからんw
独裁への応援コメント
「しかし、革命は小麦価格のさざ波で生死が変わるような貧民の手でなし得たものではなかった。革命の原動力になったのは、裕福な商人の、王家の圧力に束縛されずに新たな販路を開きたいという邪欲だった。」
リアルな歴史においてもこのような事実はかなりあっただろうね。
というか近代以前においては、歴史を動かしてきたのは
ブルジョアジーらであっただろうし、階級制が厳密に敷かれていた
時代の国家はおしなべてそのような歴史をたどってきたと思います。
西洋の歴史は僕は詳しくないし、近代以前の歴史は特に興味を
持たないで来てます、というか学ぼうとしなかった。
どちらかと言えば、教科書や歴史文献などでさまざまな国の歴史を
たどってみる機会などなかったし、それが日本の教育制度においては
僕のような普通の子供?は、歴史に学んで人生を眺望してみることなど
ほとんどなかったという残念な教育でした。
春瀬さんは、結構歴史文献などでさまざまな国の歴史なんかを
勉強してきたんだろうね。
僕は日本の歴史にしか興味がなくて、中央公論社刊の「日本の歴史」を
結構買って読んだりしましたが、やはり小説によって歴史を学んできた
と言えますね。吉川栄治や司馬遼太郎の作品はかなり学生時代に
買って読んでました。そこには人間が活写されていて、悪と善と
静と動、正義と裏切りの渦巻く世界においてもこれだけは譲れない
という規範とか契り、そうしたものが人の心を動かしていたんだなあと
いろいろ学べましたね。
だから小説がかなり閉塞状況にある表現方法として衰退しつつある中で、
どんなあたらしい表現が、これからの世界と人間を生き生きと写し出せるのか
そんなことも以前から考えています。
全然感想になっていないね。スイマセンw
作者からの返信
高校で世界史を履修したのですが、そこから気になって学校の図書館にあった「小説フランス革命」を読んでいた時期があります。十巻以上ある大作なので卒業までには読めませんでしたが。
フランス革命は市民革命といいますが、ミラボーという貴族出身の議員の尽力もあったでしょうしバスチーユ牢獄(でしたっけw)に政治犯が収容されているというデマに惑わされて市民が暴動を起こしたというのも頭に残ってました。バスチーユにはDV男とか普通の犯罪者しかいなくって、正直革命とかどうでもいい人にとっては迷惑な暴動だったと思います。
それが革命の始まりを象徴する出来事になったのは、そのただの暴動が時勢にのっていた、つまり革命を起こしたい勢力が利用した、というだけなんだと思います。だって迷惑極まりない暴動を「権力側が」制圧したら、権力側、つまり王家の好感度が上がることも考えられるわけで。
何が言いたいかっていうと、革命は市民が自発的に起こしたものなのではなく、極めて政治的なことだったのではないだろうか、ということです。
正直理系にとって世界史はセンター試験だけのものですし、しっかりフランス革命を学んだわけでもないので私の見解が正しいのかはわからないのですが、やたら極左が美談にしたがる「革命」という言葉のあやに騙されてはいけないなあなどと思うのです。
あれ、お礼コメントにしたかったのに見解表明になってるw
いつも応援ありがとうございますねっw
二人分の一人への応援コメント
「泣かないと決めていたのに涙が顔を横切った。もう仰向けでは寝られないほどお腹は大きくなっている。仰向けなら拭えたのに、とミクは恨めしげに思った。」
素晴らしい表現。さりげないけど現状のふがいなさがリアルに沁みる。
「もう、無理だ。そうミクは思った。差し出された温かい手に縋りつかないと、心が壊れてしまう。妃としての品位とか、職責とか、どうでもよかった。あとで嗤われてもいい、いまは王子の……夫の胸に身をゆだねたい。」
だよね。生きた人間がよく書けてます。この環境では特にそうだろうし、
まして懐妊しているのにずっとこの状態はきつい。
このページには関係ないけど、レヴューの時にも書こうとも思ったんですが
断然、春瀬さんの小説が面白い。昨日読んだ、大賞受賞作は、よく考えると
何で面接してんだとか、なぜに妹に報酬をあげるの、だとかつまらん
ディティールが気になって、実は冒頭から入り込めなかったです。
レヴューで、これは最高傑作、とか書いてた人いたけど、何の基準で
どこを座標軸にした評価なの?と思ったね。
大賞作がどんなもんかと読んでみたけど、冒頭を読んでさすがにあの長さに
僕はついていきたくない、と思った。
でもみんな読みたくなったんだろうなと、合点がいかなかったですね。
人類の歴史の中で表現されてきた物語の恐ろしさをもっと学ぶべきじゃないかな、という感想があります。たとえばガルシア・マルケスの
「百年の孤独」の滔々たる部族の歴史は、それこそ物語性が濃密で
こんな世界があるのかという驚きを読んだ当時に思ったんだけど
だから、そんな世界の文学にも才能あふれる早瀬さんが浸っていくのも
作家として大成するうえで必要なんではないかと、老婆心ながらサジェストさせて
頂きます。 もちろん異世界もすごいからね、。これ本心。
外交努力への応援コメント
人物像の彫り方が上手。ファオンが賢明であったが故の
第二王子の安泰と安全が、以前より図られていたのではないか、
とも思える人物像の構築は見事。
この展開で新しい物語の進展がみられそうですね。
個人的な気持ちとして、下世話な話、女性はこんなに
心を抑制できるのでしょうか?とも言いたくなるけどしかしこのような
賢明さは男性でもあり得るし、女性でも十分あり得る。
それを良しとしないとこの物語が変な痴話に堕しかねない。
これが必然性というものですかね、こうでなければ
物語の方向性が変な向きになっちゃうもんね。
さて次の展開は~
まだまだ続く~~これだけのものはなかなか書けませんよね。
思わずうなる午後のひと時。すばらしい。
波乱の幕開けへの応援コメント
ようやく7人の妃がいるのに第一夫人とのみ
交わる意味が判りました。
よく考えましたね、って偉そうに批評する立場にはないけど
これはよく考えたなあ、と感心しましたよ。
すべての伏線がここで意味を持ち始めますね。
なぜほかの妃達に王子が手を出していなかったのか、
その理由が無理なく納得できるんですね。
何度か推敲されてこの展開になったのですかね?
一度きりの筆でここまで書けたのであれば
相当の力量のあることを示していることになる。
これが異世界という中での物語を紡ぐ歓びの一つでしょうね。
こうした展開を現代小説に求めても嘘くさくなり
リアリティを持ちにくい。
異世界ものにこだわる理由が仄見えてきました。
だとしてもここまでの物語を語ることがもうすでに
完成されるほどにできているということは
春瀬さんは、本当に何かに突き動かされるように
原稿に向かってきたのでしょうね。
その必死さはどこから来るのでしょうか?
なぜこうも多くの作品をいちどきに生み落せるほどの
人間になったのか?
異世界ものを書いている人にこのような筆力の方が
結構いるとしたら、もっと多くの作品が脚光を浴びるべきだし
そうした文学環境に変革していく必要をすごく感じますね。
思いつくままに感想しました。応援コメントでは
全然ないんだけれど、書き落としておきます。
今日はこれで読むの終わりです。
頭空っぽにしたいです。
ぬいぐるみは異国のものへの応援コメント
それというのも、外国人や発展途上国からの移民が国民と軋轢を生じるのは、ひとえに教育が彼らに足りていないからだ、というのが王子の考えだった。彼らにしっかりとした教育を受けさせ、有能な人物は責任ある職に就けるようにすることは決して外国におもねることではないし、彼らを必要以上に優遇している訳でもない。
そこで教えるのはこの国で生きていくためのこの国の文化や風習であるし、反体制教育を行うわけでもない。モラルを身に着けた外国人は立派にこの国の役にたつだろうと王子は力説するのだが、なかなか理解されなかった。
この思想性が春瀬さんの小説を深くしていると思います。
若いのによくここまで学ばれたというか深められた意志?
立派ですよね。異世界小説がこのようなハイレヴェルの
物が多いことを期待したいですね。
まあでも当分は春瀬さんの小説に没頭ですね。
三年間で随分書かれているようだし、見習いたいです。
ケモ耳の私でも……?への応援コメント
けもみみのソナタでもお姫様になれるのだ。
貪るように欲しがられるへの応援コメント
素晴らしいのだ!
エピローグへの応援コメント
ミクやミラケルそして様々な登場人物たちが皆魅力的で心地よく読み進みました。
素敵な作品に感謝。