応援コメント

二人分の一人」への応援コメント

  • 「泣かないと決めていたのに涙が顔を横切った。もう仰向けでは寝られないほどお腹は大きくなっている。仰向けなら拭えたのに、とミクは恨めしげに思った。」
    素晴らしい表現。さりげないけど現状のふがいなさがリアルに沁みる。

    「もう、無理だ。そうミクは思った。差し出された温かい手に縋りつかないと、心が壊れてしまう。妃としての品位とか、職責とか、どうでもよかった。あとで嗤われてもいい、いまは王子の……夫の胸に身をゆだねたい。」

    だよね。生きた人間がよく書けてます。この環境では特にそうだろうし、
    まして懐妊しているのにずっとこの状態はきつい。

    このページには関係ないけど、レヴューの時にも書こうとも思ったんですが
    断然、春瀬さんの小説が面白い。昨日読んだ、大賞受賞作は、よく考えると
    何で面接してんだとか、なぜに妹に報酬をあげるの、だとかつまらん
    ディティールが気になって、実は冒頭から入り込めなかったです。
    レヴューで、これは最高傑作、とか書いてた人いたけど、何の基準で
    どこを座標軸にした評価なの?と思ったね。
    大賞作がどんなもんかと読んでみたけど、冒頭を読んでさすがにあの長さに
    僕はついていきたくない、と思った。
    でもみんな読みたくなったんだろうなと、合点がいかなかったですね。

    人類の歴史の中で表現されてきた物語の恐ろしさをもっと学ぶべきじゃないかな、という感想があります。たとえばガルシア・マルケスの
    「百年の孤独」の滔々たる部族の歴史は、それこそ物語性が濃密で
    こんな世界があるのかという驚きを読んだ当時に思ったんだけど
    だから、そんな世界の文学にも才能あふれる早瀬さんが浸っていくのも
    作家として大成するうえで必要なんではないかと、老婆心ながらサジェストさせて
    頂きます。 もちろん異世界もすごいからね、。これ本心。