平成の夏はこうして終わるんだよ

銃声、空気の中に変なものを垂れ流している煙突。
あのとき何もできなかったぼくは、タカハシを救いに行くと決めた。

けっこう過激な暴力描写や性描写があるので18歳未満は読んだらダメ。
27歳オーバーのみなさんに勧めたい小説です。

生まれた年代の違うふたりの少年が結果的にタカハシさんを救うことになるんですが、それ以前にこの物語構成センスよ。
昭和の怖いかみなりおやじ。銃を隠し持っているという噂のおじさん。
焼却炉の二匹のペンギン。ぺんぎん可愛いよね。

狂ったビートの青春小説です。あんまり誰も救われなかった気もする。唯一担任ちゃんだけではないでしょうか? なんらかの救いを得ることができたのは。でもそれが平成の終わりを象徴している気もして、何とも言えない読後感を醸し出しています。

私は割と能天気人間なので、あの焼却炉を破壊して平成が終わるといいな。とか思ってしまう。今も誰かが空気の中に変なものを燃やして混ぜているんでしょうか?それとも命知らずの誰かがあの場所に向かっていくんでしょうか。

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