いつまでも夢見る少女ではいられない。彼女の唇の紅に込められた真意とは

人生の酸いも甘いも知ってしまった大人の女性の織り成す艶めかしい短編。

紅い口紅のおどろおどろしさ、不吉さ、それでも惹きつけられずにはいられない艶めかしさが、丁寧な筆致で描かれています。作者様の繊細な言葉選びがとっても好きです。背筋がぞくりとするような刺激と、先が気になって覗かざるをえない色気が香っています。

女の子ならだれもが心のどこかしらで、王子様を夢見ている時期があると思うんです。でも、いつまでも白馬の王子様を待っていられるわけじゃない。甘い夢とはかけ離れた醜い現実を知り、絶望することもある。

でも、そこで人生は終わらない。だからこそ、人生は面白い。
醜い現実を知った彼女たちが辿り着いた先は果たして――?

どうなるんだろう、と冷や冷やしながら読み進めておりましたが、最後には胸にスカッと爽快感が差すような素敵な短編でした…!

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