Red Rouge

作者 節トキ

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★★★ Excellent!!!

人生の酸いも甘いも知ってしまった大人の女性の織り成す艶めかしい短編。

紅い口紅のおどろおどろしさ、不吉さ、それでも惹きつけられずにはいられない艶めかしさが、丁寧な筆致で描かれています。作者様の繊細な言葉選びがとっても好きです。背筋がぞくりとするような刺激と、先が気になって覗かざるをえない色気が香っています。

女の子ならだれもが心のどこかしらで、王子様を夢見ている時期があると思うんです。でも、いつまでも白馬の王子様を待っていられるわけじゃない。甘い夢とはかけ離れた醜い現実を知り、絶望することもある。

でも、そこで人生は終わらない。だからこそ、人生は面白い。
醜い現実を知った彼女たちが辿り着いた先は果たして――?

どうなるんだろう、と冷や冷やしながら読み進めておりましたが、最後には胸にスカッと爽快感が差すような素敵な短編でした…!

★★★ Excellent!!!

艶やかで真っ赤な口紅は見ているこちらをいつだって掴んで離しません。心を寄せる女性に贈るなら紅色で、それをつけて会って欲しいなんて男性なら一度は思うかもしれません。

しかし、ちょっと待て。

紅が似合う魅惑的な女性とはどんな人であるのか。若すぎても似合わない、あの妖艶なる紅。それがとてつもなく似合っている女性に出会ったら、あなたは一度、しっかり彼女と向き合ってみるべきかもしれない。

女性の怖さというのか、強さ、しなやかさと いうべきか。はてさてタフさであるのか。

男の愚かさを知りつつ、女性本来が持つ美しさの真実を覗いてみてませんか?

★★★ Excellent!!!

夫の裏切りにあった「私」が夜の町で出会った『赤い口紅』が似合う女性。

その女性に誘われ、ふたりは会話をかわすのだけれど……。

そんな場面から始まる短編です。
起承転結、そしてラストまで上手くまとめられ、読後感も良い作品です。

しかし。
赤い口紅の似合う女性って、あこがれますねぇ。

化粧に限らず、「自分の見せ方」が上手な人って、自分の「欠点」も「美点」もよく知っている人なんですよね。
「無いものは無い」わけですから。
「自分にある物を有効活用」して、誰もがこの世界を闊歩して欲しい。

そんなことを思った作品でした。

★★★ Excellent!!!

愛していた夫が浮気をしていると知り、ショックで街をさ迷っていた『私』は、バーで赤い口紅を付けた『彼女』の話を聞く。

幼い頃、赤い口紅を付けた女性に憧れていた彼女。自分のことを認めてくれる男と出会い、惹かれていった彼女。男に裏切られて、絶望を知った彼女。
文章がとても上手で、『彼女』の感じた愛や憎しみが痛いくらいに伝わってきました。

赤い口紅の彼女は、気まぐれで私に話をしたわけではありません。彼女は何を思い、話を聞いた私はどこへ向かうのか。
気になった方は是非お読みください。

★★★ Excellent!!!

私事ではあるのだが、ちょうどこれを読んでいる時にJessie Jの『Queen』という曲を聞いていた。内容は本作と真逆である。ありのままがいいのだ。自分を好いていればいいのだ。なぜならあなたは女王だから。とまあそんな感じである。

一方の本作は赤い口紅をつけて、疲れた顔を隠して女らしく生きる。男のために着飾る。そして男を虜にする。そんなお話。

一体どちらが正解だろうか。分からない。

フェミニストにも2パターンはっきりあるのだ。女だからといって女らしいと言われる格好をしない人。女だからこそ女らしい格好をする人。

結局の訴えんとするところは同じなのがまた、面白い。

さて、曲の話に戻ろう。音楽の哀愁漂う感じが、とても本作に合っている気がするのだ。この音楽を聞きながらこの話を読んで、とても心地いいと思った。歌詞を検索して真逆だった時びっくりしたぐらいである。

女性であるという事、それを表す一本の赤い口紅。美しさとその後ろに巣食う闇。それに頼る彼女を「女だから」と嗤うか、そこに魅力を感じるかは、貴方次第である。

★★★ Excellent!!!

笑みをつくるのも。

  嗚咽を漏らすのも。

罵倒するのも。

  カクテルを飲み干すのも。

過去を物語るのも。

  ブランデーに口づけするのも。

淡い希望を、つなぎたがるのも。

  絶望を淡々と、突きつけるのも。


すべては、くちびる。


くちびるに焦点を当てて語られる、女たちの短編。
希望に翻弄され、絶望へと墜ちた彼女らが、
その絶望の先で密かに囁き合った〝紅にまつわる秘密〟とは。


〝ぐっと寄せられたくちびる〟は、
いったい何を物語ると思う?




分かってはいたつもりでしたが、やはりこの作者様は凄い。

ここぞというところの言葉の選択が実に巧みで、また何気ない言葉の選択も丁寧で的確。前者は読みにスリリングさのようなものを与えてくれましたし、後者はスムーズな読み心地を提供してくれます。文章のバランス感覚に長けていらっしゃるとでも申しましょうか。いやはや、見習いたいものです。

およそ5,200字ほどの一話完結の短編です。
読んで損はさせませんよ〜♪