作中のテクノロジー
セカンドバベル
正式名称は東太平洋第一軌道塔ビーンストークα。宇宙太陽光発電や資源確保を初めとする宇宙開発を目的として、赤道上キリバス近海に建造された人類最大の構造物。西暦2100年に着工し2128年に完成する。
多層構造の超大型メガフロートを組み合わせて作った人工島は、軌道エレベーターの基部となる中心区画だけで直径30km弱。幅1kmの内海を挟んで二重円状に中央区画を取り巻く周辺区域は直径130kmほどもあり、中央区画と周辺区画を合わせた総面積は18,000平方km(およそ四国ほどの面積)にも及ぶ。
メガフロートは海底に係留されているが、天候やその他の影響によって軌道エレベーターの位置調整が必要になった場合は人工島そのものも移動する事が出来る。
セカンドバベル本体ともいえる軌道エレベーターは破断長12万kmの強度を持つ単分子結晶繊維を主な素材としており、全長六万キロメートルの長さを持つ。基部の直径は178m、テーパーかかっている為に終端部の最小直径は122mとなっていて、その表面に四本のリニアレールが設置されている。単分子結晶繊維で組まれた軌道エレベーターのシャフト内部は、メンテナンス用のドローンが入れるくらいのスペースしか無く、通常は人間が立ち入る場所ではない。
地上から三万六千キロメートルの場所に静止軌道ステーションがあり、ここがセカンドバベル宇宙側の基点となる。静止軌道ステーションは本体直径が20km。太陽発電プレートを含めれば直径70kmもの大きさとなり、望遠鏡で見れば巨大な花のような形をした静止軌道ステーションを見る事が出来る。
静止軌道ステーションから一万八千キロの場所に高軌道ステーションが存在し、カウンターウェイト兼用の宇宙船発着場となっている。高軌道ステーションの直径は12km。そこから更に六千km先の終端部に四つの小惑星を繋げたカウンターウェイトが存在する。
高軌道ステーションと小惑星の二つでカウンターウェイトとして完全に機能するようになっているので、どちらかが欠けても問題が出てくる。ただし小惑星は軌道エレベーターの重量バランス大きな問題が発生した場合、破棄する事も出来るようになっている。
現時点でセカンドバベルには確固たる人格を持つ超AIを搭載した量子コンピュータは設置されていないが、静止軌道ステーションに建設途中ではある。今セカンドバベルに設置されている量子コンピュータにはAIシステムは準超AIともいえる物が搭載されている。これは軌道塔の管理・防衛用として中央区画に設置されている。
静止軌道ステーション
無重力下での実験やオメガインテンション製の太陽光発電システムによる地上への送電を行うための区画。
ただしここでもテロを警戒しているので、迎撃用の粒子砲が存在する。粒子砲は角度を変更することによって地上への砲撃も行える。これはガウスカノンと併用する事が前提の防御システムでもある。しかし消費電力が凄まじいので連射が効かない。ただし太陽光発電システムと融合炉の電力を減衰なく使える環境なので、実質的な弾切れは無い。
低軌道ステーション
地上540kmにある、直径3kmの円盤状をした区画。この区画はスペースプレーンとの接続も行えるようになっている。
スペースプレーンはセカンドバベルに唯一接続出来る航空機でもある。スペースプレーンはアメリカのアリゾナ、ドイツのハンブルグ、日本の成田への航路がある。
高軌道ステーション
高度五万四千kmにある宇宙船発着基地としての機能を持つ。
リフト
地上と軌道上にあるステーションをリニアモーター駆動によって往復している、十階建てのビルほどもある大型の輸送機械。
旅客用リフトが三機、貨物用リフトが一機存在する。レーザーとマイクロ波による送受電装置を備えており、発電システムは搭載されていない。大気圏内ではマイクロ波を使用し、宇宙空間ではレーザーによる送電を行っている。
セカンドバベル中央区画
国連による管理下にある区画。警察だけでなく警備の数も多い。周辺区画からの移動は出来るが、それには長さ1kmの橋を渡っていく必要がある。橋の数は七本。内海は警備が厳しいので特定の船以外は航行出来ず、泳ぐ事も禁止されている。
国連の軌道塔管理部門や国連軍の駐留本部、関係各国の政府代表部やセブンヘッズの支部がある。ただし名目上ではあるがセブンヘッズの機能は周辺区画が主で、メイン区画には支部の支部と言えるような物しかない。だが全体的なセキュリティとしてこちらを好んで使う企業もある。。
戦闘をすれば巡回中の警備ロボットにすぐ発見され、大量の警備がやってくるので、ここでの戦闘はセブンヘッズでも避けている。
だが普通に観光をしたりする分には問題がない。職質はされやすいが、武器を所持していたり重サイボーグでもなければ問題無い。
ここまで警備が厳しいのは、軌道塔へのテロを防ぐためである。
また軌道塔を守るための兵器は全て中央区画に設置されている。配置されている兵器は口径400mmの大型ガウスカノンや超音速地対空ミサイル等があり、それら全ては低軌道及び静止軌道ステーションの地上監視網と常時接続されている。
内海
七つの橋で区切られた八つの内海には、それぞれ三隻の小型イージス艦が存在する。超小型の核融合炉から発生する電力によって、二機の180mmガウスカノンを稼働させ、他にも20mmガトリングガウスカノンや、20発の艦対空ミサイル、400mm超音速魚雷等々の防御兵器を満載し、空中や海中から軌道塔に迫る脅威を打ち払う。
これはら全て戦術データリンクによって中央区画の防御兵器や量子コンピュータと接続されており、常設の国連軍がその指揮を任されている。
セカンドバベル周辺区画
セブンヘッズなどはあまり近くに配置されないように区画が整備されている。その間を埋めるのは中小企業や国連の施設など。
大きく東西南北の四ブロックに別れていて、それぞれが1~28までのブロックに分けられている。
西ブロックにはマクファーソンカンパニー、ノースシー等のセブンヘッズの支社がある。
ラスランド通り
北四番ブロックにある風俗街。北側はハワイ航路で来た観光客向けの施設があり、それを対象にした風俗街もある。ラスランド通りはその中でも大きめの風俗街。
軌道エレベータ建設に伴う
セカンドバベルの作成には、
勿論、相互接続にはアメリカや日本と言った国家が所有する超AIも加わっているが、大国であっても一つ(アメリカで二つ所有)と言うレベルの貴重なコンピュータを使用した事による開発への影響は無視出来るものではなかった。
この超AIの接続はオラクルモードと呼ばれ、様々な影響が大きすぎる点から、1回の接続につき48時間限定で行われた。合計三回のオラクルモードにより、セカンドバベルの作成における技術的なブレイクスルーが生み出され、作成にこぎ着けられた。
オラクルモードの成果として作り出された物には、長大な
オラクルモードによる成果の一つとして、この時代でよく見られるようになった電磁投射兵器。レールガンやコイルガンを総称して、この世界では一般的にガウスガンと呼ばれている。
しかし動作の安定性からあえて旧式の火薬式銃器を好む物もいる。
セカンドバベルの下で 椚屋 @kunuginya
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