異世界をつづる、この、語りの力。

まだまだ序章というところですが、ついレビュー画面を開いてしまいました。

語りの地の文に、あっという間に没頭して読んでしまう力がはたらいています。

動きの表現に対しどんどん意味と心情を重ねていく調子が素晴らしい。その雰囲気が、少女視点の三人称にしっとりとした肌触りを与えているよう感じました。

すこし引用してみたいと思います。

『姉の部屋にはうっすらと埃が積もっていた。ルネリアが歩くたび、姉のいない日々の証明が舞い散る。』

この埃の比喩、もう大好きです。心情と情景が一体となっていて、素晴らしい一節です。

他にもキラキラと輝く表現がたくさんありました。

物語は序盤の様相。
竜として生まれた妹は、外の世界はどう映るのでしょうか。
今後に期待しています。