ラストが凄すぎるその一言に尽きます。狂おしいほどの愛、切実なまでの想い。誰もがそれだけを心に抱いていただけのはずなのに。きっと最後、あなたは考えるはずです。何が正しかったのかと。是非読んでみてください。
愛するがゆえに「石」になってしまった物語。残された言葉は、残されたものを縛り、そして石のように動けなくしてしまう力があるのだと感じました。その力の強さは揺るぎない愛によるものなのか、はたまた希望という名の執着なのか。。読んだ後に、果たして彼らの行動は正しかったのか。希望のループから抜け出せる方法はあったのか、考えてしまう作品です。
歪んだ純粋な愛が、どれだけの人を傷つけているのだろうか。兎に角凄い世界観。これからファンタジーでも始まってしまうような話なのに、ここで終わるだなんて…!!このあと彼はいったいどうなってしまうのか…石になった彼女の「悪魔様」という妄信的な言い方がとてもツボでした。彼女の一言でこの世界のカラーが決まった気がします。
村の外れにある丘に、毎日足しげく通う青年。それはその丘にある呪いで石になってしまった恋人を助けるため。毎日欠かすことなく通い続ければ、いつか元の姿に戻る。そんな本当かどうかも分からない彼女の言葉を信じて。多くを語る事が出来ません。ですが誰かを想う気持ちが行きすぎたり、すれ違ったりすると、時としてそれは残酷な結果を産んでしまう。そう思わざるを得ないお話でした。
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