美しく気高き世界は終焉に向かうのか。読み応え十分の緻密なファンタジー!

緻密な設定の上に築かれた壮大で本格的な美しいファンタジーの世界。
それが作者様の特長である流麗かつ重厚な美しい筆致で彩られ、世界観に圧倒されつつ物語にのめり込む楽しさを味わえます。

この世界、レーフは七回の終焉を経て、八度目の世界を構築しました。
眞導都市シザーレ、聖シャンナ正教国、フィーツ・ワイテ帝国。
大陸を横断する「生命の道(ブルド・フィーツ)」で繋がる三つの強国は人間によって築かれた国ですが、歴史が紡がれる中で様々な人間の思惑が複雑に絡み合い、あやふやなバランスの上でなんとか均衡を保っているような状態のようです。
それらの国を取り巻く地方都市があり、また神獸族と呼ばれる謎多き存在が拠点とする天山玄都があり、神獸族やケダモノと呼ばれる脅威など、人間以外の存在がこの世界に関わっています。

そんな世界でも、友情は育まれ、大切な人を思う気持ちは距離を越えて互いの絆を深め合うのですが、ある日突然、八度目の世界崩壊の脅威が牙をむき、人々を渾沌へと陥れていきます。

世界が崩れゆく中、ひときわ存在を輝かせるのが、白く大きく美しき犬(?)、雪河(セツカ)を引き連れた謎の凄絶美形青年、アラーム。
彼と行動を共にするのは、人々の畏怖と尊敬の的でありながらも型破りな八聖、璜準(コウジュン)と彼を慕う三体のマフモフ(もふもふ)達。

最新話では、国や都市が相次いで襲撃を受ける中、その意志が未だフーザ(頭巾)に覆われたアラームと、死を覚悟して道を歩む璜準一行が行動を共にして旅する場面となっています。

重厚でシリアスな背景の中でも璜準のキャラクターやアラームと雪河のやり取りがくすりと笑えるシーンを作り出し、それぞれの思惑をもって行動しているらしき複数の人物の謎が散りばめられていて、ストーリーはこれからが核心へと向かっていきそうなところです。

読み応えあるファンタジーの世界にどっぷり浸かって濃厚な読書体験を楽しみたい方には老若男女問わず大変おすすめの作品です!

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