マイナスのマイナスはプラスッ! この発想が素晴らしいっ!
- ★ Good!
173万文字からなる大長編作品。それを一気読みしてしまう程の作品でした。
1話当たり1万文字と言う、WEB小説やラノベではかなり長い部類なのですが、それでも読み進めてしまう力がありました!
もっとも一気読みと言った処で、読むスピードが遅い響さんには、1週間以上もかかった訳ですがwww
ただそれ位、続きが気になる作品だと言う事です。
内容としては、ホラー・ファンタジーと言った処でしょうか?
兎に角戦闘描写はメチャクチャのグチャグチャで、その手の作品が苦手な方にはお勧めできません。
かく言う響さんもあまり得意では無かったのですが、辛うじて読み進める事が出来ました。
そして百合……。
この辺りもあまり得意ではないので、主人公とロインやその他の登場人物たちが織り成す甘いシーンに共感が持てるかと言えば……そんな事は全くありませんでした。
ただし作品の内容やテンポ、そしてアッと驚く展開は、先でも述べた通り読者を引き付けて離さないものではありました!
まず最初に驚きとともに感心するのは、何と言っても主人公の属性である「反転」。
単純に、数あるファンタジー小説で「呪いの武具が装備できる」と言う主人公は少なくありません。
それはその主人公が持つスキルだったり、最初からの設定だったり。
ですがそこへ「何故」と言う理由付けに成功した人は殆ど居ないと思います。
そんなもんだ。そう言う設定なんだ。そういったスキルなんだからと言った、ある種「ごり押し」で話を進める方が殆どでしょう。
ですがこの作品には、明確な「理由」があります。それが表題でもある、「マイナスのマイナスはプラス」と言う、余りにも「当たり前」な設定なのでした。
誰もが知っている、ですがそれを利用する事に気付かない。そこに気付いた作者様は、正しく着眼点と発想力に優れた方だと存じます。
そしてそこで使われた「反転」が、驚くくらいに様々な場面で活きて来るのです。
勿論これは、最初から設定されていた事でしょうし、もしかすれば途中で「これ使えるじゃん」となったかもしれない。
ですが汎用性の高い、正に優れた設定と言うのは得てしてそう言った効果を齎すものです。
逸れも含めて、この設定のすばらしさに感嘆しました。
また作品の世界観や展開も素晴らしく、正しくジェットコースター感覚で織りなす物語は続きを気にしない方が無理と言うものでした。
ただし不満を言わせて頂ければ、余りにも急展開が多くて脳が疲れたという部分はありますがwww
評価としては申し分ないのですが、惜しむらくは先にも述べた展開の拙速性。
特に序盤の急展開は、「申し少し幾つかエピソードを織り交ぜては……?」と違和感を覚える程でした。
また惜しむらくは多くの誤字脱字が見られ、そこで都度引っ掛かってしまうと言う所も残念でなりませんでした。
ただし作品としては素晴らしく、勿論好き嫌いはあるでしょうが一読の価値があると思います!
面白い作品でした!