綿密に作り込まれた世界へと迷い込みたい方へ!!

一章を読み終えてのレビューです。

声なき少女ポルが魔術書を手掛かりとして母の死の真相、そして自らの声を取り戻すために、スラムで暮らす盲目の少年ルズアと旅立つ――。

旅の目的は希望に満ちているようで、しかしすべてを希望だけでは語れない複雑は思いと状況があります。たとえポルが声を取り戻したとしても、その声をいちばん届けたかったはずの母は亡くなってしまっている。声を取り戻したあと、彼女はどうするのか、周囲の人たちはどう変化していくか、不穏な人たちとどう向き合っていくのか。それはこの先のお話を楽しみにしたいと思います。少年ルズアとの距離感が旅を経てどう変化していくのか、そちらも楽しみです!


世界観の作り込みには目を見張るものがあります。
読んでいるうちにちょっとしたトリップ感があるくらいです。馴染みのない情景のはずなのにありありと目に浮かぶのはこれ、凄まじいことだと思います。

最後になりますが、(おそらくクラシックな)メイドの格好をしたポルが指で筆談したり、リアルに戦うメイドのエリーゼの描写には、やられました。ゴロゴロとベッドで転がってしまいました。愛らしい。最高です。


醒めることなんてありません。保証します。じっくりと、どっぷりと世界に浸りたい方におススメ!

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