狂った国 狂った人 狂った現実は すばらしいくに

高齢者、病人ーーそんな人達が「物」と呼ばれ、文字通り人間扱いされない「くに」。そこで主人公はそんな人々の中でも鬼のような所業を行っているという女性中尉の下についてーー
凄惨な描写が多く、胸糞が悪くなる展開が序盤に続きます。しかしそれもまた、その「くに」の中にそういうシステムがあるからであり、同時に作者の描写が生々しく、筆力が高いからこそ感じるものでした。いずれ……というよりも今も起きつつある高齢者社会の一つの極端な行き先として、深く考えさせるものでした。
結末はハッピーエンドかどうか。これまでの過程を考えると極めて難しいと思います。

苛烈な描写があるので人を選ぶとは思いますが、作品としてはかなり完成度が高い作品なので、そのような耐性があるかたは、是非とも読んでみてください

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