男にとって、女は永遠の謎

 とにかく激情にまかせ、暴発し、爆発する主人公の心理。だが、彼女は社会的にいたって普通。平凡である。その心理と外面の齟齬を埋め合わせるように、神社の裏で穴を掘って、その中に叫ぶ彼女。
 そしてそれを目撃してしまった高校生。彼女はサディスティックな感情から彼のことをいたぶるわけだが……。

 とにかく主人公の女性が、激情に任せて暴れまくるので、読んでいる方は不安になるやら爽快にさせられるやらで、飽きが来ない。
 ピンボールのように激しくあちこちの壁にぶつかり、跳ね飛ばされ、その勢いで反対側の壁にぶつかる彼女に、読者はハラハラしつつも、物語自体はきちんとした起承転結をもって完結する。猛烈な荒れ球だが、ストレートでストライクを取りに来る物語。

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