個性豊かな猫たちと一緒に、生と死、不幸と幸福の謎に迫る!

 不幸続きの主人公は、黒猫を助けようとして三途の川を渡る。しかし、その黒猫は死神であり、主人公は何かの陰謀に巻き込まれた可能性が出てくる。案内人の猫は地方の侯爵であり、主人公を助ける。そんな中、主人公は三途の川のほとりで、亡くなった実の弟と再会をする。しかし何故か弟の記憶はなくなっているようなのだった。死者の国に行こうとした主人公は、猫たちの王に出会うが、それはかつての祖母の飼い猫で……?
 死神の猫。侯爵猫。王女猫。大臣猫。研究者猫。助手猫。猫だらけなのに、どの猫もキャラクターが細かに描き分けられていて、読んでいてシリアスなのに、想像すると笑える部分もあるという猫好きにはたまらない作品だ。ここで謎の鍵となるのは、博士猫である。哲学に通じ、生死論にも通じ、とにかくそのキャラクター通りに博識である。博士猫によれば、人は不幸と幸運のチケットを持っているのだという。そしてそれが、主人公の度重なる不幸や、弟の死や記憶喪失にも関係しているらしい。
 そんな中、猫たちを襲う「黒き者」が出現! 果たして主人公や弟、猫たちの運命は⁈ 謎がつまびらかになるたびに引き込まれる作品。
 あなたの手にしているチケットは、幸福ですか? それとも不幸ですか?
 是非、ご一読ください。

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