何より先に目につくのは、特徴的なルビだろう。
過密な設定に与えられた豊富なルビは、ときにオリジナル、時にパロディとしてしたためられ、文章の厚みを増す役割を帯びている。
そのうえで語られるストーリーは、異世界転生に対する反逆であり、温故知新に任せた濁流のような力強さを秘めたものである。
総じて読みこめば、どこまでも奥深く楽しめる作品だと言えるだろう。
惜しむらくはあまりに膨大な情報量を、地の文、セリフ問わず説明しなくてはいけないため、そのぶんライトノベルから遠ざかるところだが、それもまた味であると思われるので、☆は2つとさせてもらった。
私見ではあるが、高いポテンシャルを秘めた作品だと思う。
異世界を蹂躙するチートの転生者は、その圧倒的な力で全てを踏み躙る。彼らの暴威に立ち向かうは――ビキニアーマーの戦士達!?
ただひたすらに傲慢で、反則なほどに強く憎たらしい転生者達を、復讐の信念を以て打ち破る。果たして彼女達は、失われた誇りを取り戻すことが出来るのか……!?
緻密な世界観設定や怒涛のストーリー展開が見どころの、異色ファンタジーアクションです。いわゆる「お約束」にまでしっかりとした理由付けがなされており、随所に散りばめられた小ネタでクスリとなること間違いなし。
博元先生が描き出す濃厚なファンタジー世界、是非ご覧くださいませ。
本作の「チート」は主人公ではありません。敵です。いわば「逆チート」といったものでしょうか。
したがって、強さで得をするのは基本的に敵です。そして、そんな敵に苦しめられる主人公は通常の敵よりも更に悲惨です。
しかし、もしそこまで圧倒的な力の差がある相手を倒すことが出来たとしたら・・・おそらくその「達成感」は普通の冒険ものの比ではありません。
そして、主人公には復讐という目的があります。
「絶対倒せない相手を倒し、かつ自分の復讐を果たす」
これは爽快感、というよりも「達成感」を味わう話なのかもしれません。そんな新しい分野を開拓した作者に敬意を込めて星3つとさせていただきました。
ストーリーはあらすじにある通り転生者の集団を悪として、好き勝手に振る舞い世界を蹂躙する彼等に対する現地人達の反抗、逆襲がメインテーマとなっています。
この作品の魅力は多彩な『キャラクター』と彼等が織りなす熱い『バトル展開』にあると思います。
主人公たるルルヤとリアラは勿論魅力的なのですが、何と言っても敵側に当たる転生者の集団【ネオ・ファンタジー・チートピア】の面々が個性的であり、よくこんなに思いつくなというくらい、次から次へと様々な能力の持ち主が登場します。
特に幹部である『十弄卿』はそれぞれに厨二心をくすぐる変身能力も持っており、この作品の裏の主人公と言える存在です。
彼等とルルヤ達との戦いがこの作品の根幹であり、その掛け合いもバトルも良い意味で厨二病テイスト満載の、白熱必至の仕上がりとなっております。
一話ごとのボリュームは多少長めですが読めない程ではありませんので、古き良き熱いバトル漫画やラノベが好きという人には特にオススメしたい作品です。