流行に対するアンチテーゼとしての転生者、そしてビキニアーマー

何より先に目につくのは、特徴的なルビだろう。
過密な設定に与えられた豊富なルビは、ときにオリジナル、時にパロディとしてしたためられ、文章の厚みを増す役割を帯びている。

そのうえで語られるストーリーは、異世界転生に対する反逆であり、温故知新に任せた濁流のような力強さを秘めたものである。

総じて読みこめば、どこまでも奥深く楽しめる作品だと言えるだろう。


惜しむらくはあまりに膨大な情報量を、地の文、セリフ問わず説明しなくてはいけないため、そのぶんライトノベルから遠ざかるところだが、それもまた味であると思われるので、☆は2つとさせてもらった。

私見ではあるが、高いポテンシャルを秘めた作品だと思う。

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