何気にハーレムっチックなヒーロー。声援を送るべき相手はヒロインか?

コミック「宇宙海賊コブラ」の最初のエピソードで、コブラが最終兵器を探す旅に巻き込まれる。目玉の付いた黒い卵。アニメじゃ金色だったかも。その目玉で見た敵方兵器を見真似で再現するって言う代物なんだが、本作品に登場する最終兵器は、それよりも遥かに読者を唸らせる。コブラの場合、古代異星人の遺跡として所与のアイテムには詮索の余地がない。ところが、本件については「なるほどね」と絡繰(種明かし)が理解できる。これって大きな差だと思う。
正確には最終兵器と表現していないが、その最終兵器が得意とする戦闘は電子戦。これが能く考えられているんだわ。SFの世界ではなくて、20年も経てば、現実世界の戦争って、こうなるんじゃないの?と思ってしまう。
ただ、文章で表現するにはハードルが高過ぎたかな、とも思う。「半導体の集積回路を電子が走り回っている様を表現せよ」と言われても、それは無理難題。攻殻機動隊の電脳世界みたく、映像なら表現できるかもしれないが…。
そんな消化不良感を抱きつつも、全体的には存分に楽しめる良作です。

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