誰もが憧れるモテチート能力。しかしこれを読んでも羨めますか……?

主人公の太一は不慮の交通事故から、自称神なる存在によって『モテモテのチート能力』を授かることになるのですが、彼には心に決めた大切な恋人がいて――という、ラブコメタッチの展開で始まる今作。

まず、能力を授けられるまでもなく、太一はリア充です。
ツンデレクーデレ両方を極めた可愛い彼女、そして仲良しの幼馴染の二人が側にいるのですから、誰が何と言おうとリア充です。チート能力がなくても、羨まけしからん境遇です。

しかし与えられた能力のせいで、校内でも美貌で名高い同級生、アルビノの美少女などにも慕われるようになり、彼のリア充レベルはどんどん上がっていきます。

どの女の子にもそれぞれ個性があって、それぞれの可愛さがあって、それぞれ素晴らしく魅力的。

しかし話が進む内に、彼を取り巻く女子達にどんどん不穏な空気が漂い始め、気が付くと狂気渦巻く愛憎劇へ……。

この移り変わりの緩急が、本当に見事。
ほのぼのパートから時に緩やかに、時に急激にホラーパートへ落とされ、心臓が保たない!
なのに怖いもの見たさで、読み進めてしまう!!

個人的に彼女である楓を一番に応援しているのですが、幼馴染の花音にも感情移入してしまうし、良き相談相手となりつつある加々爪の魅力にも目覚めてしまうし、アルビノの白鹿の二面性にも心奪われてしまうし……ホラーとしてだけでなく、恋愛物としてもぎゅっと胸が締め付けられてしまいます。

一体これからどうなってしまうのか!?
彼らが皆『幸せ』になる方法を見つけ出すことはできるのか!?

これからの展開が怖い……怖いけれど楽しみにせずにはいられません!!


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