第二章 大胆は無知と卑劣の子であって、他の資格よりもはるかに劣る⑦
ホールデン、メグ、ティアは
「ずーるっ♫ずーるっ♫ずーるっ♫」
「こ、この声は……」
その声がする方に視線を向けるホールデン。
「女の子はべらせて、これから
「ホールデンちゃんモテモテデスね。女の子の方面では心配いらなさそうですネ」
そこにいたのはヴィシャス
気づくと同時にホールデンの首にメアリーの大
「ち、違うって! 仕事の
「
エミリーは
「ホールデンから
メグは
「邪魔するなら、いくら
大鎌は変わらずホールデンの首にかけたまま、視線だけメグとティアに移す。
「……ホールデンを傷つけるのは
「アナタ達一体何者なの?」
メグが油断なく問いただす。
「クートヴァス・インク
「はいデス 債権回収課所属のメアリー・ヴィシャスちゃんですヨ」
『債権回収課』という単語を聞いて、メグとティアは
「あっ、こいつが悪いんで好きにしちゃってください」
「……ホールデン、私と
メグは
「お、お前ら……俺の命がどうなってもいいのかよ!」
ホールデンは情けない顔になり、2人に
「借金を返さなかったのは
「……ホールデン、ここにサインするだけで、この
メグは
「いやいや、こんな状況で、何で結婚を決められると思ってたんだよティアは!」
ティアは残念そうに用紙を引っ込めて後ろに下がる。
「私たちの邪魔はしないと受け取っていいのねぇ~?」
エミリーはメグとティアに敵対の意思がない事を確認すると、警戒を解く。
「ホールデンちゃん、どうしたデスか? 顔色良くないですヨ」
メアリーは
(お前の大鎌のせいだよ!)
「それじゃホールデン君、
エミリーはホールデンに近づき、手をホールデンの股間にやると、耳元に熱い
「うえっ! な、何を!!」
「「なっ!」」
その行動を見たメグとティアは
「ちょ、ちょっと! アンタ何してるのよ!」
「……ホールデンのソコに
そんなメグとティアの様子を楽しそうに見るエミリー。
「あら、お嬢ちゃん達。
エミリーは
「フゥ……僕のために
(あああ! なんでこんな状況なのに反応しちまうんだよ俺は!)
メグとティアはジゴロ・ホールデンに冷ややかな視線をやる。
「ホールデンちゃん、メアリー心配デスよ? 主に頭の方が……」
メアリーはホールデンを見る。
「それが報告にあった《
ジゴロ・ホールデンはエミリーの
「君みたいなセクシーな女性に言い寄られて僕は世界一の果報者さ」
「あら~
エミリーは目を
「あはは。子猫ちゃん? こんなところで、おっぱじめちゃうなんて
ジゴロ・ホールデンの言葉はそこで
「ほんぎゃああああああああああああああああ!!」
情けない叫び声をあげ、通常のホールデンに戻る。
「あらあらあら。
エミリーは変わらない調子で、ホールデンの耳元で
「ホールデンちゃん、大丈夫デスか? もう、おねーちゃん男性のソコは
メアリーはそう言いながらも、大鎌をホールデンの首
「あの! メグさんティアさん、どちらへ??」
2人はホールデンの言葉に振り向かず、返答する。
「そのままずっとそのスケベな女とイチャイチャしてれば?」
「……ホールデンのバカ」
そう言うと、2人はスタスタとその場から去る。
「ホールデンちゃん、これでゆっくり話ができますネ」
メアリーは大鎌をホールデンの首にかける。行動はどう見ても話し合いではない。
「それで? ホールデンくん
エミリーも
ホールデンは全力で土下座をかました。
「スンマセン! 今日の24時までには必ずお
エミリーとメアリーは鎌を引っ込める。
「ホールデンちゃん?
メアリーはその小さな体のどこにそんな力があるのかわからないが、大鎌を目に見えない速度で振り回す。
「
メアリーは謝罪を木に向かって口にするが、そのすぐ後上
「ずーるっ♫ずーるっ♫ずーるっ♫」
「ふふふ。それじゃ、また後でね」
エミリーは去り
オール・ジョブ・ザ・ワールド/百瀬祐一郎 イラスト:ヤスダスズヒト ファンタジア文庫 @fantasia
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