本作は時代小説のようであって、時代小説ではない。強いて言うならば、江戸時代を舞台にした出会いの物語だろうか。 そう、まったく異質な二人の男女が出会う。それが偶然、江戸だったというだけ。 ただ…続きを読む
舞台は天保時代、江戸の千住。兄を探して遥々この地へとやってきたヒロイン・結衣は、危ういところを相模と名乗る男に助けられ、榮屋で働くことになり――というところから物語は始まります。この相模がと…続きを読む
会話でのやり取りが実にいい。 健気で優しい主人公の感情がすんなりと入ってくるし、相手の反応もとても自然で、場面が変わってもシーンごとに作品世界をすんなりと楽しめる。 また、地の文で情景をさ…続きを読む
時代小説とといえば、人の機微。ちょっとした心の触れあいが丹念に描かれていると、江戸というある種のファンタジー空間との相乗効果もあいまって、素晴らしい輝きを発する。登場人物のわずかな喜怒哀楽が、読み…続きを読む
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