最後まで読んで、なるほどだからこのタイトルなのかと思うタイプの物語。

 悪魔のゲーム、VR世界に取り込まれてしまった人たち。どんな秘密があるのだろうということで読み始める。

 しばらくすると、タイトルがエンディングを示唆しているようなイメージが沸いて、主役及び物語の中のキャラたちの自我崩壊したあとのなにもない虚無のなかで自我を保とうとするそんなイメージに読み手も自我がなくなった世界を味わいかける。その流れもなくはないはずなのだけどきれいに作者は収めてくれました。物語世界の中で階層化している現実と自分のいる現実もまた物語を読んでいるということで階層化しているのではないのか。そのような意識世界と現実の階層化ということを意識させられます。ソフトにハードなSF世界を表現してくれていると思います。