ゴリラの無実を信じた少女は殺人事件の謎に挑む!

学校で飼育されているローランドゴリラのローラがいなくなって、撲殺事件が起こった。
生徒たちはゴリラの仕業じゃないかと噂しあうが、ローラといちばんの仲良しの美咲はそれを否定。ローラの行方と事件の真相を追うと決めた。

ということで、このお話はゴリラを軸に語られるミステリなのですが……
相当に不条理です。でも、それを納得させてしまう不思議な説得力があるんですよねぇ。
理由は簡単で、振りもオチもきちんとゴリラが務めていて、美咲さんとローラの間に確かな絆があるから。
誰かを信じ抜くことの美しさが、ゴリラっていう人間ならぬ存在を通してより高められてるところがすばらしい! 

友情もので、動物もので、不条理で、ミステリ。普通なら絶対まとまらない内容を12000字で落としてみせる著者さんの筆力も見事です。
タグの「闇鍋」はまさにこの作品を象徴してますけど、安心して召し上がっていただける一作ですよー。

(味があるから人気作! 濃さと厚さの4選/文=髙橋 剛)

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