エピローグ

「真っ暗でなんにも見えません。先輩、どこですか」


「ここだよ」


「言われても大体の方向しか……あ、これ先輩ですか。えへへ、見えないんで手をつなぎましょう」


「違うよ」


「私今誰と手を繋いでるんですか」


「冗談だ。俺だよ」


「もう。冗談が過ぎますよ。……全部終わりましたね」


「終わったな」


「スクーター、爆発しちゃいましたけど、どうやって帰ります?」


「どうしようか。大体の交通機関が電気に頼ってる現状、この電波が動いてるうちはどれも使えないわけだし」


「まぁ、もしかしたら機械の暴走なんて全然関係なくて。帰るまでもなくもうすぐ世界は普通に終わってしまうのかもしれないですけどね」


「確かにな」


「今、世界中の電気系統が落とされているんできっと、世界一星空が綺麗ですよ」


「そうか。じゃあ、世界が終わる前に見ておかないとな。外に出るか」


「あっ。先輩。その前に。――世界最後にひとつだけ。私の願い事も、いいですか」


「……まぁ、いいだろう。等価交換だ」


「こっち向いてください」


「声の方向しかわからないけど、こっちでいいのか」


「……とは言ったものの。手探りじゃないと先輩の顔がどこやら……あっ。ここが唇ですね」


「先輩。――

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【SS】ワールズエンド・ブレーカー ゆきの @yukiny

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