概要
陪審員の皆さん──。
息子を殺し、妻を亡くし、生まれ変わった息子を見て、父イサは苦悩した。自死に至るほど苛まれた悩みを何者にも打ち明けられぬまま、味方を敵に回し、己さえ利用してまで。
わたしは決意する。
息が苦しいまでの矛盾を晴らすには、人間の判断に拠らぬほかないと。
※AI・人工知能をテーマとした猫春さん主宰のアンソロジー『SINGULARITY』に寄稿・収録いただいた作品です。
わたしは決意する。
息が苦しいまでの矛盾を晴らすには、人間の判断に拠らぬほかないと。
※AI・人工知能をテーマとした猫春さん主宰のアンソロジー『SINGULARITY』に寄稿・収録いただいた作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!見事な人物描写、精緻なストーリー展開
タイトルや説明からは、どんなストーリーかよくわからなかったのですが。
「狼の群れに襲われて…」以下四行で、読み進むことを決めました。何気ない描写ですが、こういうところに引っ掛かりを作れるのはすごいなと。
細部まで気合入ってますね。
主に会話で父イサの人物像を浮かび上がらせ、ストーリーは最後までテンポよく進みます。著者が書いているように、読み口はハード。でも読みやすいです。
内容は、読み終えてみればシンプルですが、結末に至るまでの展開や視点変更がよく計算されていると感じます。面白い。読了後、何文字だったのか改めて確認してしまいました。約一万四千字。かっこいい短編です。