見事な人物描写、精緻なストーリー展開

タイトルや説明からは、どんなストーリーかよくわからなかったのですが。

「狼の群れに襲われて…」以下四行で、読み進むことを決めました。何気ない描写ですが、こういうところに引っ掛かりを作れるのはすごいなと。
細部まで気合入ってますね。

主に会話で父イサの人物像を浮かび上がらせ、ストーリーは最後までテンポよく進みます。著者が書いているように、読み口はハード。でも読みやすいです。
内容は、読み終えてみればシンプルですが、結末に至るまでの展開や視点変更がよく計算されていると感じます。面白い。読了後、何文字だったのか改めて確認してしまいました。約一万四千字。かっこいい短編です。

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