幕間 その後における心情について
人間ってのは本当に利己的なもんで、結局は自分が可愛くて仕方ないのだ。それは悪となじるのは妥当ではない。だって世界なんてものを認識できるのは自分が生きていてこそ。全ての基盤は自己の生存に依っている。
だから話を聞いて驚いた。
私のそばにはそんな当然な自然に抗って馬鹿をやった人間が二人もいたことに。
しかも私の人生はそんな馬鹿二人に支えられていたのだ。
馬鹿である。
馬鹿である。馬鹿である。馬鹿である。
豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえっ!
と思った。
一人には既に言ってやった。そして泣きながら抱きついてやった。
そしたらあっちも泣いて抱きついてきた。無事に泣かせることができてやったぜ、なんて泣き笑いで言ってみた。
もう一人には随分と会っていない。というか会えない。
会いたいなあと思う。そんな素直な感情、本当に会ったら出すことなんてできないけれど。お礼だって満足に言えないだろうけれど。
私は会いたいと思うのだ。
この感情に恋という名前が付いたとしても、私は一向に構わない。
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