share plus あの日の日記
三上くんと玄関の鍵を開けようとしたら、庭の方からガサガサと音が聞こえた。
『鞠さんは後ろにいて』と、私を庇いながら空手の型を取った三上くん。(大好き!)
だけど、ものの数秒で緊張は空中分解した。
庭にいたのは明里さんとレオくん。
『しぃーーっ』と二人に言われたから、レオくんばりの忍び足で近付いてみると明里さんが家の中を指差した。
覗いてみてビックリ!!薄暗いリビングの向こう側に屈んでいるのは他の誰でもない。
武田さんとカナコだった!
盗み見なんて良くないかもしれないけれど、カナコにバレたら怒られそうだけど!
カナコすまん!めちゃくちゃ楽しかった(笑)
『武ちゃん、やっと言えたか』と明里さんがニヤリと笑ったから、思わず『武田さんもカナコのこと好きだったんですね!』と大きな声を出してしまった。
三上くんに口を覆われて、明里さんに軽くどつかれながら庭を脱出。
レオくんは『ニャオーン』とやたら上手い猫真似までした。(これぞ忍び)
『居酒屋くろねこや』に場所を移してから明里さんが教えてくれた。
武田さんはカナコに一目惚れだったらしい。
好きなタイプ、ドンピシャだったらしい。
でもカナコの中身を知って、もっともっと好きになったらしい。
明里さんが言った。
『前に武ちゃんが酔って、俺嫌がられてるかなーって落ち込んでたから私教えたの。カナコちゃんの耳を見なさいって』
三上くんとレオくんは『?』って顔してたけど、私は耳と聞いてピンときた!
カナコは照れると耳が真っ赤っかになるんだったーって!!
そうだった、そうだった!
お姉さんぶってても、カナコの耳は少女だった!!
『武ちゃん、カナコちゃんの耳を見るようになったらなったで逆に消極的になっちゃって。いい大人が全く可愛いったらないわ!』と明里さんは大笑いした。
私たちは、その場で携帯を開きメッセージを作る。
『武ちゃん、おめでと~!』と明里さんがフライングして(笑)三上くんとレオくんもスタンプでお祝いした。
私は、ピロンピロンと鳴る携帯を手に慌てる二人を想像して笑いが止まらなかった。
おわり🎄
グリーン・クリスマス 嘉田 まりこ @MARIKO
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