第9話「律の決心」9(終)

先代「いや納車の日は雪の日でな。待ちきれなかったわしは、バイク屋が運んできてトイレに行った隙に、軽トラから自分で降ろそうとして、足が滑って、運悪く転んだわしの上にこれがのし掛かってきての」

律「それで骨折したと」

先代「いや必死で支えようとして、腰がギックリと」

律「お気の毒ですが、それってバカじゃん」

先代「ムッ!悔しいが否定できない。それから歩行が困難になってのう。じゃが年老いて行くわしに比べ、こやつはまだ若い。なにせ5kmしか走ってないからの」

律「ゲッ!激レア品。欲しいけどタダでもらうわけには行きませんよ。バイトして返済します。売ってください!」

先代「いいいい。社長が、お父さんが倒れたので、生活費を親に頼らず稼いでいる苦学生と言うとった。健のやつも律の走りは非凡な才能を感じると言うとったしな」

律「コーナーでモンキーを追い詰め…遊んでるだけですよ。父も先週はゴルフに行ったと言ってたし」

先代「ありゃりゃ…。そうじゃな。じゃあ時々味噌汁作りにきてくれ、うちのばあさんのは薄味なんじゃ」

律「(最愛の妻じゃないのかよ)じゃあありがたくお預かりします。腰が治ったたらお返ししますよ」

先代「いやいいよ。リハビリで、腰はもうすぐ治りそうじゃ。治ったらスズキのカタナ1100Sを買うつもりなんじゃ」

律「それはやめたほうがいいすよ!(年寄りの冷みzry…)」


ナレ「こうして"ホンダスーパーカブカスタム50。下町のカナリア号"は、田井中律の愛車になった。健さんの指導よろしくあれやこれや改造して、澪たちとバンバンツーリングするのは

また別のお話」

(この章終わり)

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"けいおん!!?"(けいおん!第3期仮想台本)9-12話草稿1 鈴波 潤 @belushi1954

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