ただ、守りたいものの為に

覚平のお役目は、ただ橋の袂に座り続けること。
それを「気に入っている」と言う本人の言葉の真偽は定かではないが、やもめの彼にとって「都合が好い」というのは事実なのだろう。
危険も無く、穏やかで、幼い娘と向き合うことが出来る。
友の家族に助けられながら過ごす平穏な日々。
しかし、運命の悪戯が覚平を政争へ巻き込んでゆく。


武士として清廉に死すよりも、愛する者たちのために何としても生き抜く。
たとえ泥にまみれても、それはとても美しい。

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