異世界帰りの聖王、休暇を満喫する

作者 笛吹ヒサコ

かつてここまで一緒に朝まで呑み明かしたいと思える聖王様がいただろうか?

  • ★★★ Excellent!!!

「聖王」と呼ばれる人って、どんな人物を想像します?
僕はやはり博愛精神に溢れた立派な人で「人類皆兄弟、仲良くしなきゃなりませんぞ、おっほっほ」みたいな人物を想像しました。

でも、今作に登場する聖王様は違います。

まず、現代日本の、とりわけオタク文化に毒されたのかネコミミカチューシャを愛用し、魔法少女アニメのオープニング曲を口ずさんじゃったりします。
かなり想像と違います。
先日、「スター・トレック」のカーク船長役ウィリアム・シャトナーが 「ラブライブ!」の推しを聞かれ「海未」と即答したというニュースを聞いて驚いたのですが、それと同じぐらいの衝撃でした。

さらに世界を統べる聖王様、百年ぶりに世界へと戻ってきたというのに「休暇を取りたい」などと言います。
おまけにそれを諫める諸侯らを無視して、密かにお忍び休暇旅行へと出かけてしまいます。
ぶっちゃけ、やりたい放題です。暴れん坊聖王です。

そんな聖王様、無理矢理従者にした獣人の少年を女装させ、あろうことか萌えを感じてしまいます。
同性愛に対して寛容なフランシスコ法王もびっくりな男の娘愛好志向、正直なところ、この時点で僕はかなりこの聖王様に親しみを感じておりました(ぁ

そしてお忍び休暇旅行が辿り着いた真実、そこで語られる聖王様の嘆きに、きっと多くの男性読者は「聖王様、今夜は朝まで呑もう。奢るぜ!」って言いたくなるに違いありません。
ええ、シンパシー半端ないです、聖王なのにそんなん普通あらへんやん、聖王ハンパないわぁって感じです。

きっとあなたもこの聖王様に親しみを感じるはず。今作はそんな物語です。

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