その異能力欲し……、やっぱり結構です。

 夢の中から毎晩一つだけ、現実に持ち込めるという異能力を持った主人公が、うっかり夢の中の異世界の王女を連れ込んできてしまう。表向きはそう言うちょっと変わった異能力者と王女のファンタジー作品。
 しかし、この作品には裏の顔がある! 一度持ち込んだモノを再び夢の中に戻せないのに、王女を国に返さなければならない! 王女の悪意のない悪口や現実世界での生活にノックアウトされつつも、主人公は仕事に繰り出す。そこで聞いた都市伝説・「タマゴおじさん」。この卵型のおじさんは人間を食べてしまうという。しかも、この「タマゴおじさん」は、主人公が夢から現実に引き込んだらしく……。
 無事に王女は国に帰れるのか? 「タマゴおじさん」はどうするのか?
 そして最後のどんでん返し! やられた! 最後にそうきたか!
 異世界ファンタジーであり、現代ファンタジーでもある作品だが、そのロジックはSF並で、最後まで楽しく拝読できました。
 短くて笑える、そして妙に最後に腑に落ちる。
 是非ご一読ください。

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