それは多分やさしい歌

私が椎名林檎に興味を抱いたきっかけは、週刊少年ジャンプで連載されていたシャーマンキングという漫画だった。

作中に、あわや林檎という歌手が出てくる。ヒロインが好きな歌手としてスポットが当たるだけなのだが、ヒロインは彼女を指してこう言うのだ。

「おっかないのは見た目だけで、歌はとてもやさしい」

あわや林檎のモデルは椎名林檎だと私は勝手に思っている。

当時の私は椎名林檎をナース服を着てガラスを蹴破る姉ちゃんとしてしか見なしていなかった。

色眼鏡を外して、彼女の楽曲を聴くと夢中になった。それは今でも変わらない。私は詩の方に惹かれることが多いが、このエッセイで触れられている音楽性の部分は興味深くて、改めて曲を聴き直しているところだ。

椎名林檎のファンも、そうでない人も、読めば熱に当てられる……、かもしれない。

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