私が椎名林檎に興味を抱いたきっかけは、週刊少年ジャンプで連載されていたシャーマンキングという漫画だった。
作中に、あわや林檎という歌手が出てくる。ヒロインが好きな歌手としてスポットが当たるだけなのだが、ヒロインは彼女を指してこう言うのだ。
「おっかないのは見た目だけで、歌はとてもやさしい」
あわや林檎のモデルは椎名林檎だと私は勝手に思っている。
当時の私は椎名林檎をナース服を着てガラスを蹴破る姉ちゃんとしてしか見なしていなかった。
色眼鏡を外して、彼女の楽曲を聴くと夢中になった。それは今でも変わらない。私は詩の方に惹かれることが多いが、このエッセイで触れられている音楽性の部分は興味深くて、改めて曲を聴き直しているところだ。
椎名林檎のファンも、そうでない人も、読めば熱に当てられる……、かもしれない。
音楽への情熱のあふれたエッセイになっております。
特に椎名林檎ファンの胸を打つこと間違い無し。
かくいう私も林檎さんのファンです。
一時は潜伏していたウイルスがまた血液の中で活動しだしたみたいで……
こちらのエッセイをきっかけに、しばらくぶりにCDを引っ張りだして聴いてみたんですけど、もう止まらないですね。ときめきが止みません。
ロック、ジャズ、クラシック、民族音楽、様々なエッセンスを次々とりこんで変異していく、ウイルス。椎名林檎というのはそういう人なんだなとふと思いました。
かたちが定まらないから、いつになっても免疫が働かないんですね。
作者さんは楽器や作曲も嗜まれるようで、音楽を作る人はこのように音楽を語るのだなぁと思ってすごく興味深かったです。勉強になります。
私もまた音楽を聴こうという気持ちになれました。熱い文章のおかげです。
椎名林檎に馴染みのない人も、大好きな人も、元ファンも、みんなに読んで欲しい作品です。おすすめ。