夜空を見上げ、星を探したくなる作品

 正直なところ、かなり早い段階で結末までの流れを掴んだ。
 だが、それが読み進める壁と成り得なかったのは、ひとえに作品の持つ、ただただ素敵な物語の珠玉の如き輝きによる。

 驚くべきことに、作中のキャラクターがミステリーのトリックについて語る言葉がそれを証明してしまっているではないか。

 ――本を読み慣れてると序盤で気づいちゃうのよ。
  ――でも安心して。それを上回ってくる作品をご紹介しますよ!

 私は、ご紹介されてしまったのである。

 輝石による軌跡が奇跡を呼ぶ。

 こうであればよい、という願いが原動力。
 この点と点という読書体験が描く線によって、そこに感動を結び、こうしてレビューを書かせている。
 そう、結びつきだ。
 どこかで、誰かが繋がっている。
 我々が創作に触れる喜びを思い出させてくれる素晴らしい作品だ。

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