未来への胎動

未来への胎動


青白い街灯の下で僕らは待った

何かが近づいてくるのを

それが僕らの求めているものへ

何よりも確実に導いてくれることを


ネオンは感情を失った月の光の中で

規則正しい瞬きを繰り返した

僕たちを救ってくれるものは何ひとつなかった

それは確信となって

ぬれた路面を駆け抜けた


叫びは空しく吸い込まれていった

定められた朝陽の向こうに

大量に生産される“僕ら”の中に


彼らは気づいていただろうか

無意味で分別のない罵倒の先に

僕らの砕け散った精神に反射したものが

まったく脈絡のない場所に

跳ね飛んでいってしまうことに


僕らは待った

艶やかな月の光を

変化に満ちている、乾いた道路を

その全てを貫いて

浅黒い感情を封印するものが

現れてくれることを


限りなく近くにある現実を

粉々に破壊してくれる何かを


けれどもそれは

誰もが分かっていたことなのだ

破壊された現実の後に築かれるものは

例外なく現実なのだと


待つことも

逃げることも

全てが無駄に終わるのだということも

生きている限り思い知らされるのだ


けれども待った

僕らは待った

青白い街灯の下で

暖かい振動を続ける文明に

その頼りない背中をあずけて

月の翳りにも気づかずに

ただひたすらと、待った

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