タイトルに偽り無し。エルフをお持帰りします。

まず、このタイトルに心を鷲掴みされました。
作者様のエッセイ「駄作記念日」にチラっと出てきた単語なのですが、一体何が起きるのか。もしくは起きたのか。おもちかえりの意味とは、どう受け止めればいいのか。しかもエルフです。この凄まじい混沌とした妄想を駆り立てるタイトルが頭から離れず、作品を読んでいる最中も脳内の片隅に意識してしまう。恐ろしい破壊力のあるタイトルです。

そして、何よりも言葉に出した時の発音がクセになります。
「おもちかえりエルフ」
サラリと流れるように、とんでもない発言をしたのでは?という罪悪感といいますか……羞恥心といいますか。一見何を言っているのか理解できない不思議な魅力溢れるタイトル。

して、中身の方はと言いますと……。
忍者がサーバーを管理している物語です。

え? お前は何を言っているのか?
ですからタイトルに偽りなしの作品でございます。

デジタル忍者なのです。

作風はシリアスな展開もありますが、コミカルテイストで独自の世界観を描いています。異世界ファンタジーに馴染みがなくても笑いとともにスっと読めてしまうのは、作者様の技量なのでしょう。奇抜な展開にアッと言う間に読み終えてしまうと思います。

エルフを持ち帰る瞬間を読んでみたいと思いませんか?
どうぞ、一読してみて下さい。

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