夏の純不純文学
- ★★★ Excellent!!!
蝉は必ずどこかにいる。でも、見つけられない。
特にこの言葉が胸に残ってます。
淡々とした一人称の語り口のおかげで、盛況な夏ではなく、陰りある哀愁の夏の雰囲気が引き立つ。
先輩がどんな人だったのか。掴み所のない人って魅力的ですよね。でも、小説という文字だけが頼りの作品では、そういった人物を描くことが難しいんです。
ただ、この物語では、先輩のミステリアスな雰囲気がちゃんと醸し出ていた。
蝉、という夏の一大風物詩を使った、少しだけ大人の夏物語。
素敵な物語をありがとうございます。
にぎた