一話一話が短歌形式で書かれており、しかもその内容の一つ一つが物書きの心にさくっと刺さる、何ともユニークな作品です。
物語を書く。短編長編関わりなく、脳内に浮かんだもわっとしたものに形を与え、納得のいく結末まで持っていくことは、とてつもない体力と気力を要します。そして、その出来栄えがいいのか、悪いのか。「いい」とジャッジされる作品がどんどん出来上がるならば苦労はないわけで。物書きは、面白いか面白くないかよくわからない何かを、それでも「書きたい」という欲求に突き動かされて生み出さずにはいられない。そういう生き物ではないかという気がします。
そんな物書きの「あるある」を短い言葉でさくっと描く作者様のユーモアセンスは、どこか切なくフワッと温かく、読むうちに肩の筋肉が解れる心地よさを味わせてくれます。
時にはキーボードを叩くのをやめて、ふふっと笑うのもいい。そんな柔らかい気持ちになれる作品です。
創作の悩み。創作あるある。
カクヨムの「創作論」でもたくさん見かけますね。
でもこの作品は、ただの創作論ではありません。
なんと、プロローグからエピローグまで、全話漏らさず短歌!
しかも、総文字数ジャスト1000文字!
天才か…!!
内容も、創作者なら頷いたりそのまま思考の沼にハマってしまうような、興味を引くテーマばかりです。
読み進めるうちに、「これって私だけじゃないんだ…!」と、書く気がみなぎってくること間違いなし!
書く手が止まってしまったそこのあなた。
お手軽に補給できるエナジードリンク代わりに、ぜひ本作をご一読ください。
たとえ駄作の山を築いたとしても。その中から、いつかとびきりの名作が生まれ出ると信じて…!
千文字縛りの挑戦に短歌で挑んだ力作。しかも作家ならではの本音を綴った作品なので、多くの人が共感する。
個人的に心に響き、かつ他の人にお勧めしたい歌の“感想”を書いていきます
第七話…カクヨムは自由に作品を書ける場所なんです。星が多い(=たくさんの人に認められている)作品をみると羨ましくなるけれど、自分がなんで書き続けているのかを考えると、書かない方が苦しいのかな…と思いまして。他人は他人。自分は自分のペースで好きなようにやります。いつか「好き」だと言ってくれる人が自分の作品を見つけてくれるかもしれないから
第十五話…多分みんなは何度も死んでは蘇っているんだろうな…。書いている最中は気づけないのに、死にかけ状態になった時にはすでに投稿してアクセス数もちらほらと…あああああ。完成した作品を数日後に見直せという推敲(アドバイス)の意味がようやく分かりました。でも時間を置いたらダメなところが見つかって投稿をためらってしまうんです。投稿してから手直ししようと覚悟を決めないと、とどまってしまう
第二十七話→第二十八話…力の入れどころが難しい。あらかじめ設定を考えても物語を書いていると路線が変わってしまう。大まかな条件だけであとは風任せ…で書くとキャラがブレたり矛盾が生じてしまう。地の文のほとんどが説明になっていって「まずい」と分かっているのに改善できずに進んでしまって…。どんな作風だったら多くの人に読んでもらえるのだろう。魅力的なキャラ?ワクワクする設定?目が離せない展開?…多くの人という漠然とした人をターゲットに書くのは今の自分には無理なのに
第三十三話…下手な文しか思い浮かばないなら書かない方がいいのか?たまに思ってしまう。でも、たぶん、一時的にナイーブになっているだけ。どうせ衝動が押し寄せてきて、熱に浮かされて書きたくなるんだ。
そしてエピローグ…センス無くても、下手でもいいのです。たまに苦しくなるけれど、好きだから