絡み合う存在と無

 簡勁な文章ながら、極めて奥深い世界を感じました。
 どこか、淫靡な気配さえ感じます。それでいて爽やかでもある不思議な読後感……無駄のない表現で、かつ読ませる、というのは僕自身も目指しているところですので、おおいに勉強になりました。
 時折、「手術中に何考えてんだ」とツッコミそうになりましたが、二度目を読んで、それも命とのやり取りの中で別の何かが立ち上ってくる、という読み方のために必要だったのかな、とも思いました。
 ……どうもとっちらかった感想になってしまいましたが、じんわりと余韻が染み入るような作品でした。ありがとうございました。